映画『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットが証明するように世界でも有数にビッグなバンド「クイーン」。そんな彼らの傑作アルバム「オペラ座の夜(A Night at the Opera)」をレビュー。
フレーズやリフというより「旋律」という言葉が似合うギターサウンド、誰もが感じるであろう「オペラ」のような雰囲気、リスナーの頭の中に常に「風景」や「物語」がイメージできる音作りやプログレ的な気難しさのない「展開の面白さ」が、他のロックアーティストにはない彼らの個性になっている。またハードロック的な「マッチョさ」とは全く無縁と言っていい「練られた美しさ」があり紛れもなく「傑作」と言っていいアルバムに仕上がっている。
筆者が10代の時にがっつりハマったレディオヘッド(radiohead)の曲に「Paranoid Android」という曲があるのだが、その曲は一部では「Bohemian Rhapsody」に影響を受けたのでは??と言われていたが、本作を聴く限り類似点は見つけることは出来なかった。
「曲解説」
2 Lazing On A Sunday Afternoon
「よく晴れた土曜日のピクニック」みたいな曲だなと思っていたら、タイトルの和訳はまさかの「うつろな日曜日」。筆者が「クイーン」というアーティストに持っていたいイメージ(ハードで重厚)を完全に覆す1分ちょいのインスト。
6 Sweet Lady
ブライアン・メイのウォームでゆったりとしたギターサウンドを中心に展開される「平静な」パートと「パニック」に陥ったようなバタバタ感を音で表したような展開が混在する曲でオペラというよりはミュージカルを連想してしまう曲。歌詞の内容は「痴話喧嘩」だと思われる。
7 Seaside Rendezvous 10 Good Company
ビートルズを思わせる美しいハーモニーと軽やかなメロディーのボーカルラインが特徴的な2曲。ビートルズが純粋にグッドメロディーを追求しているとすれば、クイーンは風景を連想するメロディーを意識しているのでは?と思えるほど聴いていると風景が連想できるものが多い。
8 The Prophet's Song
他の凡百なアーティストと完全に格の違いを見せつけ「プログレッシヴ」という言葉がコンサバに聞こえるほどこれまで聴いた事がないタイプの曲。1曲を通して「波乱万丈の人生を描いた映画」でも見ているかのような印象を受ける。複数人の声による掛け合いやハモリだけで「哀愁」と「愉快さ」が同局している空間を演出している中間部はお見事というほかない。個人的には「ボヘミアン・ラプソディ」(Bohemian Rhapsody) より衝撃を受けた名曲。