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live at the indoor
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タグ「ビッグ・ビート」のレビュー

90年代的なジャンルのクロスオーバーを象徴するようなアーティストの1つであるケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)。本作はそんな彼らのデビューアルバムにあたり、ハードなロックミュージックをテクノやハウスの文脈で再構築したようなサウンドは圧倒的に個性的である。

「「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映しておりリズム面はロックドラム的なパワフルさを持つブレイクビーツが多く使われており硬質な質感だが、ストリート感のある遊び心のある音や「メロウ」「サイケ」な質感を曲に与えるサンプリングされた女性ボーカルの使い方が抜群にうまく、硬質でミニマムなフレーズをループするタイプであっても不思議なポップネスがあると感じる。

アルバムタイトルの邦題は「さらばダスト惑星」は彼らの改名前のグループ名「ダスト・ブラザーズ (The Dust Brothers)」から名付けられている。デビューアルバムで過去に対して「さらば」と別れを告げた彼らは次作以降より刺激的なサウンドを展開する事となる。

    「要点」

  • 「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映
  • 改名前のグループ名は「ダスト・ブラザーズ (The Dust Brothers)」

「曲解説」

1 Leave Home

70年代ハードロックバンドによるリフ・オリエンテッウドな曲をテクノ化したような硬質な1曲。リズム面はタイトでパワフルなロックドラム風のブレイクビーツとなっている。「流れ星」のようにきらめく電子音やサンプリングされたメロウな女性ボーカルが時折挿入され、シンプルで硬質なサウンドではあるのだがポップに響く。最後は「次元の違う空間にワープする」かのようなサウンドが登場する。
2 In Dust We Trust

「霧」のようなモヤっと歪んだ空気感が心地よいファンキーな曲でDJスクラッチが所々に盛り込まれアクセントとなっており、分厚くディープなベースリフが曲をグイグイと引っ張っている。ベースがメインリフを弾く方法論はニュー・オーダー(New Order)のようだ(4:05〜)「コンピューターのモニターが突然、真っ白になった」ような静寂パートが挿入され、終盤は躍動感のあるリズムと「空気を切り裂く疾風」のようなサウンドが強調される。
3 Song to the Siren

「面白い音を集めてミックスジュースを作った」ようなサウンドが面白い曲。オリエンタルな香りがする「呪縛」のようなサンプリングされた女性ボイスや脳みそをグシャグシャとかき乱す「縮れたビーム」のようなサウンドが特に印象に残る。
6 Chemical Beats

「スライム」のような弾力感を持つミニマムな歪み系・電子音がループされるテクノ。「ハッ、ハッ」というサンプリングボイスが少しコミカルでシリアスな曲にリラックス感を与えている(2:15〜)間奏部で瞬間に「早朝のビーチ」のようなメランコリックなパートが挿入される、このあたりUKっぽい。終盤はこれまで以上に横揺れを促すようなダンサブルなビートが強調される。
8 One Too Many Mornings

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)彷彿の白昼夢のような曲。全ての音が「ガラス越しに鳴り響く」ような質感をもっており(1:40〜)サンプリングされた女性ボーカルの歌声は「今にも消えてしまいそう」に儚い。ベースラインは底で鋭角的にメロディックなフレーズを奏でている。
11 Alive Alone

ダークでアラブ的な雰囲気が印象的なラストソング。神秘的な女性ボーカルをフィーチャーしており本作の中で最もボーカルラインが目立つ曲である。ディープな低音と時折現れる「黄金の宮殿」を連想するサイケギター風フレーズがミステリアスさを醸し出している。終盤は「うねる蛇」や「そびえ立つ太陽」のようなサウンドがこれまで以上にサイケデリックに響き渡る。

90年代的なジャンルのクロスオーバーを象徴するようなアーティストの1つであるケミカル・ブラザーズ(The Chemical Brothers)。本作はそんな彼らのデビューアルバムにあたり、ハードなロックミュージックをテクノやハウスの文脈で再構築したようなサウンドは圧倒的に個性的である。 「「ロックの直線的な破壊力」をテクノサウンドに見事に反映しておりリズム面はロックドラム的なパワフルさを持つブレイ

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