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live at the indoor
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検索結果7件

タグ「ギターポップ」のレビュー

スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。

失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(vo)が歌うと一度でリスナーの頭にメロディーが刷り込まれる。「6 トンガリ’95」などはUSグランジロックに対する回答のような曲で色んな意味で「非売れ線」な曲だがこれまたポップソングとして成立してしまう。

この一度聴くと頭にインプットされる独特な歌声をもつシンガーはそう多くなく、90年代の日本の音楽シーンで考えるとパッと頭に浮かぶのは「草野マサムネ」「河村隆一」「MISIA」などだろうか。例えば、ルナシー(LUNA SEA)というバンドの場合は5人のメンバーの個性や癖を絡めて面白いものを作るというスタンスだが、スピッツ(SPITZ)は草野マサムネ(vo)の歌声を最大限活かす為に他のメンバーがサポートするというような構造になっているとじっくり今作「ハチミツ」を聴いて感じた。

    「要点」

  • 「6 トンガリ’95」はグランジロックへの回答
  • 一度聴くと頭にインプットされる独特な草野マサムネ(vo)の歌声

「曲解説」

2 涙がキラリ☆

イントロと間奏で聴ける「眩しい光」のようなギターリフが印象的なヒットソング。ヴァースの裏では「しっとりした雨」のようなアルペジオと「鐘の音」のようなカッティングが鳴り響く。歌詞の内容は「純粋さと下心の間で揺れる思春期男子の気持ち」といったところ。基本的にはメロウな曲だが不思議な熱量も感じる曲となっている。
3 歩き出せ、クローバー

「誰もいない曇りのビーチ」のような雰囲気を持つUKポップ風の曲で「サビ以上にサビ」なボーカルラインを持つメロウなBメロが素晴らしい(2:18〜)夏の幻のような陶酔感のあるギターソロが登場、ギターソロ以降はウォームに歪んだギターサウンドも鳴り響き、曇りから晴れに移りゆくようなサウンドになる。
4 ルナルナ

ザ・スミス(The Smiths)の曲をフリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)が演奏したようなポップソング。「待ちきれない明日の遠足」のような早足のテンポ感と「短く切ない夏休み」のような揺らめく電子音が印象的で柔らかいストリングスが爽快な風を運んでくる(3:26〜)最後は唐突に「夏の終わりの」ようなギターフレーズが飛び出す。
6 トンガリ’95

スピッツ(SPITZ)がグランジにチャレンジした尖っている曲。終始、がっつりと歪んだギターサウンドが鳴り響くが、イントロので聴けるキラキラした電子音やサビのコーラス「ルゥー、ウー、ウー」などがスピッツ(SPITZ)らしい。サビは「尖っている」というワードを草野マサムネ(vo)が甘い声で連呼するというシュールなものとなっている。この曲をガチのUSグランジ勢が聴いたらどのような反応示すのか興味がある。
7 あじさい通り

真夏の田舎道をゆっくりと練り歩くようなスローテンポの曲。「カッティングギターが淡々鳴り響く展開」と「シャボン玉のように揺らめくクリーンなアルペジオが踊るカラフルな展開」で構成されている(2:55〜)リバーヴを掛けた濃厚な煙のようなギターソロが曲にコクを与えている。
8 ロビンソン

日本の音楽史に残るメロウなギターポップソング。イントロとサビ裏で聴けるメロウなアルペジオは簡単そうにみえて実は難しく、サビのメロディーラインは素晴らしいの一言で「本当に空を飛んでいる」ような浮遊感を感じる名曲。
10 グラスホッパー

本作の中では「6 トンガリ’95」の次に歪んでいるハードな曲。低音がよく聴こえるウォームに歪んだサウンドだが「そよ風」のような爽やかさがある。

スピッツ(SPITZ)のキャリアの中でセールス的に最も成功した6枚目のアルバム。全曲を通して草野マサムネ(vo)のメロウで透明感ある歌声が響き渡り、どのようなサウンドやテンポであってもバカボンのパパのように「これでいいのだ!」状態でスピッツ(SPITZ)の音楽となっている。 失礼な話だが「2 涙がキラリ☆」などの曲は他のボーカリトが歌た場合、そこまで売れないのでは?!と思われるのだが草野マサムネ(

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洋楽のポップ・ミュージックを日本語でやる洋楽邦楽(感覚で言ってる)の先駆者的なユニット/フリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)。

「60年代ロック」「サイケ」「ネオアコ」「ギターポップ」「ドリームポップ」「ジャズ」「ソウル」などを「無印良品的なミニマリズム」で再構築したような無駄のない良質なポップが彼らの魅力。シンプルなギターポップである1stアルバムと実験的でサイケな3rdアルバムの中間にある本作は、音楽的に過渡期と言える作品となっている。

    「要点」

  • 洋楽ギターポップな邦楽
  • 様々な音楽を無印良品的なミニマリズムで再構築
  • 過渡期的な作品

「曲解説」

2 Camera! Camera! Camera!

ファミコンのシューティングゲームを思わせるスペーシなシンセとブレイクビーツが鳴り響き、ギターポップ版のアレンジとは違う良さがある彼らの代表曲で歌詞は過去の刹那的な恋愛感情といったところ。ニュー・オーダー(New Order)と共振するビート感と享楽性も感じる。(2:58〜)祝祭のようなストリングスが無機質な曲に有機性を与える。最後はソニックユースのギターノイズをサイバーな質感でエディットしたようなノイズが鳴る。
4 Summer Beauty 1990

ラテンなギターワークとパーカッションが印象的なメルヘンなポップ。「パパッ、パパパ〜」というメルヘンなコーラスと「よく晴れた昼下がり」のようなピアノの旋律が「はじめてのおつかいをする少女」のように初々しさを醸し出す。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)の声がアニメティックといってもいいくらいにキュート。これを大人になったご本人が現在聴くとどう思うか?!非常に興味がある。
5 Haircut 100/バスルームで髪を切る100の方法

誰もが一度は経験したことがある「バスルームで髪を切る」という経験を「洗練されたヨーロッパの街並み」を連想するギターポップに乗せて歌う。夢見心地なオルガンやシックなホーン、「カラフルなバルーンが揺れる」ようなワウギターがカラフルな雰囲気を作り出している。(2:30〜)バタついたドラムの連打は平凡な日常に起こったトラブルのようだ。
6 Colour Field

雲の上に乗っているような浮遊感を感じるサイケポップ。小山田コーネリアス圭吾(vo,g)による夢見心地なコーラスで幕を開ける。ミニマムなアコギのフレーズのループが終始鳴り響き、ボーカルラインは珍しく歌謡曲のようである。(1:40〜)中盤以降から登場するオルガンが曲に更なる浮遊感を与えており、終盤は雲が動き出したようなスピード感を感じることができる。
9 Knife Edge Caress

オレンジ・ジュース(Orange Juice)を彷彿とさせる夏休みのようなギターポップ。小沢 健二(g,vo)によるコーラスのかかった清涼感のあるギターサウンドが終始鳴り響き、ドラムはシンプルでミニマムなビートを刻み、ベースはモノトーンな質感で曲を引き締める。言いたいことがたくさんあるけど時間が足りないと言わんばかりに最後まで早歩きのようなテンポ感で進む。
12 Camera Full of Kisses

「何もやることがない日曜日」のような雰囲気のドリームポップ。(2:15〜)何重にも重なる小山田コーネリアス圭吾(vo,g)のコーラスが幻想的な空気感を作りうたた寝を誘う。(3:35〜)「夢の中で見た雲ひとつない青空」のような電子音が曲にカラフルなポップネスを与える。最後は徐々にフェードアウトしてサウンドが薄れていき「終わった」と思った矢先、RPGゲームの隠しアイテムのように「続くストーリの予告編」のようなサウンドが流れる。

洋楽のポップ・ミュージックを日本語でやる洋楽邦楽(感覚で言ってる)の先駆者的なユニット/フリッパーズ・ギター(Flipper’s Guitar)。 「60年代ロック」「サイケ」「ネオアコ」「ギターポップ」「ドリームポップ」「ジャズ」「ソウル」などを「無印良品的なミニマリズム」で再構築したような無駄のない良質なポップが彼らの魅力。シンプルなギターポップである1stアルバムと実験的でサイケ

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