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live at the indoor
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検索結果10件

タグ「パンク」のレビュー

非ビジュアル系なド派手なビジュアルとBADなR&Rサウンドを提げて80年代の音楽シーンに登場したジギー(ZIGGY)の1stアルバム。

カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう、森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本であり「1 EASTSIDE WESTSIDE」「7 HOW」における「掠れたがなり歌唱」は清春(黒夢)に多大な影響を与えたと思われる。

自身が憧れたであろうカリスマシンガー達の影響を反映させた「掠れたがなり歌唱」や「BADなシャウト」を盛り込みR&R的なワイルドさを醸し出している森重樹一(vo)のボーカルではあるが、サビのボーカルラインはノリノリのR&Rやシンプルなパンクソングであっても非常にメロディックであり「メロディーメーカーとしての隠しきれない才覚」がにじみ出ている。 この「歌心あるメロディーセンスの有無」がメロディーにある種の拒絶反応を示すドメスティックなR&Rバンドとジギー(ZIGGY)との決定的な違いであると思われる。

    「要点」

  • ・カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本
  • ・サビのボーカルラインはノリノリのR&Rやシンプルなパンクであっても非常にメロディック

「曲解説」

1 EASTSIDE WESTSIDE

性急なビートに乗せてタイトルにもなっている「EASTSIDE WESTSIDE」というフレーズを「ワイルドにそしてBAD」にシャウトするオープニングソング。ボーカルラインは「どこからどこまでがサビなのか?!という判断が難しいもの」となっており曲を通して「全てがサビ」のようである。
2 MAKE IT LOUD

ゴージャスなサックスフレーズを盛り込んだミドルテンポの曲で歌詞の内容は「ブルースに抱かれる飲んだくれ女たち」についてである。 サビのボーカルは非常にメロディックであり濃厚なサックスサウンドと絡まっている。
3 I’M GETTIN’ BLUE

「ノリの良いBADなロックンロールサウンド」と「BLUEな夜が続く理由に思考を巡らせる内省的な歌詞」の対比が面白い曲(2:22〜)戸城 憲夫(b)によるベースソロは「サビのボーカルラインをアレンジした」シンプルなラインだが「雨後の光」のような眩しさを感じるものとなっている。
4 BIRDS ON STRINGS

基本的には「誰もいない部屋」のような静けさを感じるアコースティックバラードなのだが、サビで瞬間的に「エモーショナルな熱量」を放つ曲となっている。歌詞の内容は「ゆきずりで始まった、刹那的な恋の終わり」についてであると思われる。
5 LAZY BEAT

「1.2.3.4」という威勢のよいカウントアップで幕をあけるパンクチューン。歌詞の内容は「R&R幻想を叩きつけた」シュールなものとなっており「おもちゃのピストル夜空に向けて」というラインは色んな意味で危険な匂いがする。
7 HOW

「独白」のようなバラード調から突如、ワイルドなR&Rに変貌する曲。本曲における森重樹一(vo)の「掠れたがなり歌唱」は清春(黒夢)に大きな影響を与えたであろうと思われる。サビのボーカルラインは相変わらず「非R&R」なメロディックなものとなっている。
9 I WANT YOUR LOVE

サビから始まる曲展開とサビ前の「ア〜、ア〜、ア〜」というビートルズ(The Beatles)風コーラスが印象的なパンクチューン。最後は音量が徐々に下がっていき唐突にサックスソロが飛び出す意外性のある展開となっている。
11 6月はRAINY BLUES

BADなR&Rバンドとは思えないナイーヴなタイトルが印象的なロックバラード。歌詞は「現在の生活とあなたにさよならを告げる」という内容となっている。終盤は「卒業式」のような晴れやかとセンチメンタルが同居したストリングスが2人の別れを静かに彩る。

非ビジュアル系なド派手なビジュアルとBADなR&Rサウンドを提げて80年代の音楽シーンに登場したジギー(ZIGGY)の1stアルバム。 カリスマ的でBADなR&Rシンガーをペルソナとして設定しているであろう、森重樹一(vo)のボーカルはR&Rボーカリストとして最高のお手本であり「1 EASTSIDE WESTSIDE」「7 HOW」における「掠れたがなり歌唱」は清春(

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イギリスのロック専門誌である『ケラング!』が最高得点5点をつけた(wiki)ザ・マッド・カプセル・マーケッツ(THE MAD CAPSULE MARKETS)の8thアルバム。

hideや今井寿(BUCK-TICK)など前衛的な音楽を常に求めている同業者に大絶賛されたノイズサウンドは、当時日本よりも海外で熱烈な支持を受けた。彼らの音楽的な特徴を挙げるとインダストリアルロックの創始者/ミニストリー(Ministry)やドイツのデジタルハードコア・アーティスト/アタリ・ティーンエイジ・ライオット(Atari Teenage Riot, ATR)からの影響があげられる。全編にわたり「不穏」で「マシーン」を連想する無機質な冷たさがあり健全なラウドミュージックとは明らかに異質である。

暴走するビートや「狂った扇動者」のような破壊的な絶叫とラップをこれでもかと畳み掛けるサウンドは痛快の域であるが、彼らが「コアなだけのノイズまみれアーティスト」であれば本作が日本のオリコンTOP10に入る事は難しかったハズである。「3 | ̄|_ (PULSE)」「12 MIDI SURF」ではメロディックパンクのようなフックのあるボーカルラインが聴くことができる。この時折登場する「歌心あるメロディーライン」の有無が海外インダストリアル・デジタルハードコア勢と良くも悪くも違う点であると筆者は思う。

    「要点」

  • ・hideや今井寿(BUCK-TICK)など前衛的な音楽を常に求めている同業者に大絶賛されたノイズサウンド
  • ・時折登場する「歌心あるメロディーライン」の有無が海外インダストリアル・デジタルハードコア勢と良くも悪くも違う点

「曲解説」

1 TRIBE

絶叫を交えたハイテンションなボーカルラインがインパクト大のデジタルハードコア。リズムはタイトなボディーブローのようなドラムとシンプルで無機質な四つ打ちによって構成されている(2:34〜)「不法侵入者を知らせるセンサー」のようなノイズサウンドの登場からループ風のギターソロに突入するという展開をみせる。
2 OUT/DEFINITION

暴走するビートと「狂った扇動者」を思わせるラップがマニアックな雰囲気を醸し出しているインダストリアルチューン。ギターリフはラウドではあるが「マシーン」のような冷たさがある(1:35〜)間奏部では「ドットにモザイクをかけたようなビート」が挿入されアクセントとなっている。
3 | ̄|_ (PULSE)

メロディックパンクのようなボーカルラインとストリートテイストが色濃いアグレッシヴなラップを中心に構成されるハードなパンクチューン(1:40〜)転調が入り「これまでとは違うメロディーライン」が展開されるが、その後は「何事もなかった」かのように元の展開に戻るという凝られた展開をみせる。
7 ISLAND

陽気なバイブを感じるマッド流歪んだポップソングかと思わせておいて、突如、狂ったようなハードーコアチューンに変貌するインパクト大の曲。歌詞の和訳を見たところおそらく「呑気な休日」をテーマにしていると思われるが意味深な内容となっている。
8 RESTART!

狂気的な複数の絶叫が空間的に絡まるハードチューンでリズムは「冷徹なマシーン」のようなインダストリアルビートである。
9 JAG

タイトなドラムと潤ったブリブリのベースラインが不穏な空気感を演出している曲。ボーカルはラップというより「怪しげな呪文」のようである。最後は空間系エフェクトをかけた単調なギターサウンドだけがミステリアスに響き渡る。
12 MIDI SURF

「3 | ̄|_ (PULSE)」同様にメロディックパンク風のサビのボーカルラインが印象的な本作のラストチューン。ギターリフは「記号」のようなイメージであり音響として機能している(2:08〜)「カラフルなスライムが目の前に大量発生した」ような潤った音響に包まれるアバンギャルドな展開をみせる。

イギリスのロック専門誌である『ケラング!』が最高得点5点をつけた(wiki)ザ・マッド・カプセル・マーケッツ(THE MAD CAPSULE MARKETS)の8thアルバム。 hideや今井寿(BUCK-TICK)など前衛的な音楽を常に求めている同業者に大絶賛されたノイズサウンドは、当時日本よりも海外で熱烈な支持を受けた。彼らの音楽的な特徴を挙げるとインダストリアルロックの創始者/ミニストリー(

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活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。

歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕する。

黒夢がイケイケのパンク期であった頃、筆者は中学生であったのだが清春(vo)の反逆ソングには素直に共感できた事を覚えている。黒夢はオリコン1位を取るような人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在であり、「売れっ子アーティスト」「元V系のカリスマ」による反逆ソングの数々は非常にリアリティのあるヒリヒリした質感をもちダイレクトに「少年」に響いてきた。

次作以降の想像がつかない色んな意味で行き着くとまで行き着いたアルバムなので、当時の活動停止には妙な納得感があった。

    「要点」

  • 尖ったファストチューンで埋め尽くされたリアルなパンクアルバム
  • 人気アーティストという立場から「抑えきれない衝動」が弾けてパンク化したという日本の音楽業界の中でも唯一無二の存在

「曲解説」

1 MASTURBATING SMILE

極限までそぎ落とされたファストなパンクチューン。歌詞の内容は「腹黒い大人には騙されないぞ」的な側面と「逆風の中で孤立無援でも自分たちはサバイブするんだ」という強い意志を感じる側面によって構成されている。
2 FASTER BEAT

手数の多いドラムと「地底」のような質感のベースラインが躍動するミニマムなパンク。清春(vo)の歌詞は「終わらない反抗期」のように衝動的な内容ではあるが「待ち伏せしている落とし穴」について言及するクールネスも持ち合わせている。
3 SPOON & CAFFEINE

「記号」のようにミニマムなリフが高速でリフレインされるパンクソング。「無個性のどうでもいい歌を垂れ流す」音楽業界を痛烈に批判している。「カフェイン」と「スプーン」でここまでイマジネーションを膨らませた歌詞がかけるのは清春(vo)位だろう。
4 後遺症 -aftereffect-

ドラムとベースラインがドライブ感MAXで攻めまくる曲。歌詞の内容は痛烈な音楽業界批判と自身の消えない傷についてであり「後遺症」というワードを連呼する歌詞はインパクト大。サビのボーカルラインはパンクの仮面を被っていても抑えきれない抜群のメロディーセンスが炸裂している。
5 CANDY

「ボディーブロー」のようなドラムプレイが強烈なファストチューン。「痛みや寒気を止めるCANDY」について歌った曲でやりたい放題。
6 少年 -screw mix-

「地下室」のような陰鬱な雰囲気とルーズな質感をもつ彼らの代表曲。「細かなプライドで髪を伸ばす」「認められない奴がしていたネックチェーン」など思春期の少年のヒリヒリ感や焦燥感を見事にパッケージングした歌詞が秀逸。大人になってこの歌詞に触れると「当時はそんな類の事思っていたような」というノスタルジーを感じる。
9 HELLO, CP ISOLATION

「祭典」のような雰囲気と少しのコミカルさを感じるスカパンク。「ファスト×ラウド」でヒリヒリしたパンクソングが連発される本作において、一服感を感じるこの曲の存在は非常に大きいと感じる。ギターサウンドは裏のリズムを強調したジャカジャカしたプレイである。
11 COWBOY

過去になんて興味ないと言わんばかりの「歩いた場所をポラロイドカメラで撮り、そしてどんどん破り捨てよう」というパンクな提案がシュールなファストチューン。サウンドはタイトでダイナミックなロックンロール(1:12〜)本作の中では珍しいギターソロが登場、音色がどことなくCOWBOYを連想するものとなっている。
12 MARIA -screw mix-

CDバブルの90年代に背を向けパンクな生き方を実践する清春(vo)にしか歌えない反逆ソング。くぐもった質感で強烈にうねるドラム・ベースラインとは対照的にギターサウンドはワンコードの音の断片をリフレインするものとなっている。「生まれつき器用になれない」という心情をmy sisterであるMARIAに吐露するという歌詞は深く考えさせられる。
14 KNEES TO BREAK

重たく不機嫌なベースサウンドを中心に展開されるルーズな曲。「dear fat man」は一体だれなのか?が気になる。ツパッた歌詞はまさに「永遠の反抗期」。
15 LAST PLEASURE

ファストなパンクチューンで埋め尽くされた本作のラスト飾るハードコアチューン。サビではエフェクトがかけられた狂気じみた清春のシャウトが炸裂する(2:02〜)「狂騒」のようなサウンドの中「スローモーション」のような質感の人時(b)の歪んだベースソロが登場。ドラムは「馬の大群が走り抜ける」ようなバタバタ感を感じる強烈なプレイを聴かせてくれる。

活動再開前のラストオリジナルアルバム「CORKSCREW」強烈なジャケットに全く負けていない歌詞とサウンドを持つパンクの名作である。 歌詞の内容は反抗期の少年のヒリヒリ感や焦燥感、色んな意味でやりすぎな音楽業界批判・刹那的な快楽などをテーマにしている。このアルバムを聴いて彼らが元V系のカリスマであるとは誰も思わないだろう。それにしてもこのコアな問題作がオリコン初登場2位を記録したという事実には驚愕

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前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。

前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁したような歌詞は非常に繊細でこの二面性が清春(vo)の魅力なのだろう。この時期の清春はファッションリーダーとしてもまさに神の域で中高生男子から絶対的な支持を得ていた。

    「要点」

  • 放送禁止レベルの反逆ソングを多く収録
  • 「12 NEEDLESS」の歌詞は反抗期男子のフラストレーションを代弁

「曲解説」

1 MIND BREAKER

「ザクっ」とした歪んだギターサウンドが中心となって展開されるヘヴィロック。タイトルである「MIND BREAKER」というフレーズをメロディックに歌い上げるサビが非常に頭に残る(2:05〜)間奏部ではヘヴィなサウンドの上を「金縛り」のような清春(vo)の声が空間を舞う。
2 DRUG PEOPLE

ビジネス最優先の音楽業界をディスった歌詞と挑発的なラップ風歌唱が印象的なファンクロック。サウンド自体は「砂鉄」のような歪みを感じるギター、強烈にうねるベースラインとタイトなドラムのみで構成されているシンプルなものである。
3 DRIVE

「ザクっ」とした音質のシンプルなパンクロック。時折現れる幽玄なシンセサウンドはまるで「白い煙」のようだ。歌詞は現在では間違いなくリリース出来ない類のものでありセックスドラッグを前面に押し出している(1:58〜)BPMが急速に落ち人時(b)のベースリフが繰り返しリフレインされる、このあたりは作曲者の特権と言えるだろう。
4 C.Y.HEAD

ミニマムなリフがリフレインされるド直球のパンクロック。音楽評論家に対して「たいした文章も書けない」「君の頭はプラスティックだ」と真っ向から喧嘩を売る歌詞が痛快。C.Y.HEADは「cutting your head」の略であると思われる。
5 CAN’T SEE YARD

腐った音楽産業や業界人を気持ちいい位にディスる曲で清春(vo)のボーカルはエフェクトでガッツリと歪んでおり、反抗期の男の子の気持ちを代弁するかのような熱量がある。
6 DISTRACTION

ギターとベースがユニゾンする分厚いリフが印象的がパンクチューン。音楽業界のみならず「ロッカーではない子供向けタレント」にまでディスりの範囲を広げた反逆ソング。サビで登場する「オーオーオッ」という野太いコーラスはまるで自分が「勇敢な勇者」になったかのような錯覚をリスナーに与える。
7 Spray

抜群のメロディーラインを持つノリノリのパンクソング。気持ち良い位に攻撃的なディスりソングが続いた後に登場するこの曲の歌詞は、「Sprayで描いた夢は叶うから」と優しくそして力強くティーンエイジャーにエールを送るという内容になっている。「手に負えない不良が時折見せる優しさ」は、「普通の人の優しさ」の10倍評価されるのと同じ法則でこの曲の歌詞は普通のミュージシャンが書いた歌詞の10倍優しくリスナーに響く。
9 BLOODY VALENTINE

伝説のシューゲイザーアーティスト/マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を意識したと思われる浮遊感と透明感をもつ歪みソング(2:22〜)久しぶり感のある耽美的でエロティックなギターサウンドが登場し、その後は強度を増したうねる歪みとガラスの破片のようなクリーンサウンドが絡まる(3:40〜)ボーカルラインの後ろで「隠しアイテム」のようなクリーンアルペジオがミステリアスに響く。
11 NITE&DAY

「刹那的な恋愛を映画にした」ようなメロウなアコースティックソング。全編を通して「霧の中にいる」ような心地よいウエットな質感がありメロウな歌詞が数段メロウに切なく響き渡る。「繊細な男女の心の揺れ」を描いた歌詞がとにかく素晴らしい。
12 NEEDLESS

「全力疾走」のようなスピード感をもつメロディックなパンクソング。反抗期男子の気持ちを代弁している歌詞が生々しく、そして繊細な響きをもっている。「昔話好きな大人から逃げたい」という気持ちは若気の至りだが、確かに10代のある時期はそういう気持ちが自分にもあったような気がする。「あの頃の気持ち」を思い出させてくれる名曲である。
13 Like @ Angel

全ての塞ぎ込む思春期期男子に「ナイフで窓を削り天使の羽を広げて羽ばたこう」とエールを送るメッセージソング。「窓のない部屋で膝を抱えている」というフレーズは思春期特有の陰鬱さを端的に表した名フレーズだと思う。
14 BAD SPEED PLAY

BADなSPEEDを体感できる強烈なハードコアソング。歌詞は当時頻出していたモノマネV系バンドの事を痛烈にディスっていると思われる内容であり、現在の音楽シーンでは明らかに発売できないレベルの反逆ソング。「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」という反抗期・思春期の少年の気持ちを代弁したような素晴らしいパンクソングの後で、しかもラストソングにこの曲を配置するあたり「さすが」としか言いようがない。

前作「FAKE STAR」が可愛く思える程に放送禁止レベルの反逆ソングが多く収録されている5thアルバム。 前作「FAKE STAR」に収録されていたパンクソングの強度を更に高めたサウンドに乗せて歌われる歌詞は、音楽業界だけに留まらずテレビやV系シーンまでをディスりの対象としており、もはや「痛快」の域である。反面、「12 NEEDLESS」「13 Like @ Angel」などの歌詞は反抗期男子の

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壮絶でハイテンションなハードコアサウンドとリスナーのイマージネーションに訴えかけ様々な風景や世界観を連想させるパンチの効いたフレージングが強烈なアット・ザ・ドライヴイン(At The Drive-In)

ハードコアという音楽はどちらかというとフィジカルに訴えかけるものや色んな意味でリスナーと「熱量を共有しあう音楽」であるという印象があるのだが、本作は頭の中に様々な絵が浮かぶ「プログレ性」と「ハードコア的な破壊力やテンション」が奇跡のバランスで成立している。激しい音楽を聴いて「ノッた後の爽快感」と「練られた音楽を聴いた後の感慨」を同時に味わう事ができる。

    「要点」

  • イマジネーションを刺激するプログレ性あり
  • ポストハードコアの名作

「曲解説」

1 Arcarsenal

「上空から何者かが舞い降りた」ような不穏な響きと「酔っ払い」のようにぐらついたギターフレーズが絡むインパクト大のイントロ。 「太陽光線」のような直線的なギターサウンドが終始鳴り響く中、突如(2:12〜)ダークなピアノの音色が挿入されて曲にアクセントを与える。 全てがシャウトのように聴こえるボーカルラインを筆頭に全てのパートが凄まじいテンションで響き渡る。
2 Pattern Against User

左右から聴こえる「異なる音色による鬼ごっこ」のようなギターサウンドが特徴。冒頭からストレートで熱量のあるテンポで進行するが(1:48〜) リズムがなくなりベース音のみが鳴る。そこに「上空を舞うねじまき鳥」のような立体的で透明感のあるアルペジオが響きわたる。終盤はストレートなロックサウンドに戻り疾走、最後はマイナーな響きのコードバッキングが鳴り響く。
4 Sleepwalk Capsules

冒頭から「戦場」のような荒れ狂った空気感を感じる。ツインギターの音色はやはり全く異なりそびえ立つ音の壁となって迫り来る。そんな展開の中(1:22〜)浮遊感のあるアルペジオとそれに絡みつく幻影のようなフレーズが飛び出し、それに呼応するかのようにセドリック・ビクスラー(vo)がメロウなボーカルラインを奏でる。しかしそれも束の間(2:12〜)またも荒れ狂った空気感をもった展開になり爆発する。
5 nvalid Litter Dept.

不穏でどこか「エジプトの神殿」を連想するようなアルペジオが鳴り響く中、ミニマムで唸るベースラインの上を「早口なパート」と「夢見心地でメロウなパート」が合体したセドリック・ビクスラー(vo)独特のボーカルラインが踊る(3:05〜) ピアノの旋律と「沈む夕日」のような枯れたギターが鳴り響く。ハードなサウンドも健在ではあるがどちらかというと浮遊感をと哀愁を感じる曲となっている。
7 Enfilade

男女の電話でのやり取りがSEで流れる。「宇宙に放り出された」ようなバグった重力感の中で「ラップのようなボーカルが響き渡るパート」と「電撃のような強烈なギターサウンドが登場するアヴレッシヴで熱量マックスのダイナミックなパート」が交互に展開される(4:30〜)最後は重力にのみ込まれるように音は途切れて「ピーピー、ガーガー」というノイズだけが鳴り響き曲は終わる。
8 Rolodex Propaganda

「高速道路を走る車の中から見る景色」のように揺れてきらめくギターサウンドとアヴレッシヴなラップは「本当に車に乗っている」ような感覚を味あわせてくれる(0:52〜)虹の中にいるような極彩色のボーカルラインが登場して、その後サウンドはさらにエフェクティヴになり、中盤以降は高速道路ではなく「上空を走る車」のようなイメージが頭に浮かぶ。
10 Cosmonaut

叙情性を感じる強烈なギターサウンドと「タイトなリフ」のようなドラミングが絡み合う。そこに強烈なテンションで歌われるボーカルが加わるハイテンションな曲。時折、挿入される「揺れる水面」のような透明なアルペジオがこの曲のキーだろう(2:40〜)壮絶な絶叫から最高潮を迎え最後は残響だけが残る。
11 Non-Zero Possibility

クリスタルのような透明なピアノの旋律が鳴り響く曲。これまで「戦場のようにハイテンション」な曲が多かったので非常に安堵感を感じる。セドリック・ビクスラー(vo)のボーカルラインはバラード調のこの曲でも強烈な熱量を感じさせ(2:58〜)「高速でループするブーメラン」のようなノイズギターがピアノの旋律を壊すことがない位の位置で静かに鳴り響く(3:59〜)ミニマムなアコギのアルペジオが挿入されてから 全ての音が少しずつ遠くのほうに遠ざかり、最後は不穏で重厚な弦楽器の調べと共に静かに幕を閉じる。

壮絶でハイテンションなハードコアサウンドとリスナーのイマージネーションに訴えかけ様々な風景や世界観を連想させるパンチの効いたフレージングが強烈なアット・ザ・ドライヴイン(At The Drive-In) ハードコアという音楽はどちらかというとフィジカルに訴えかけるものや色んな意味でリスナーと「熱量を共有しあう音楽」であるという印象があるのだが、本作は頭の中に様々な絵が浮かぶ「プログレ性」と「ハード

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