ブリットポップを代表する2バンドであるオアシス(Oasis)とブラー(Blur)が転換期と言えるようなアルバムを出しレディオヘッドが傑作アルバム「Ok Computer」をリリースした97年にリリースされた本作。
ノエル・ギャラガー(オアシス(Oasis))やクリス・マーティン(コールドプレイ(Coldplay))に影響を与え、彼ら曰く「90年代のベストアルバムである」(wiki)ザ・ヴァーヴ (The Verve)の最高傑作が本作。この作品ってオアシス(Oasis)が1997年のアルバム「Be Here Now」でまさにやりたかった事をやっている作品なのでは?という気がする。シンフォニックでディープな音でサイケな質感がありつつも同時にポップソングとしても素晴らしいメロディーを持つという理想的な大作。
「曲解説」
1 Bitter Sweet Symphony
深い森にピクニックに出かけるようなビタースウィートなストリングスではじまる。壮大な雰囲気がありつつもレディオヘッドの作品にも通じるような煌びやかな電子音も鳴り響いている。ラストはリチャード・アシュクロフト(vo)のボーカルが何重にも重なり合い本当に森に迷い込んだような感覚に陥る。
2 Sonnet
アコギのストロークと「夕暮れ」のようなギターサウンドによるシンプルなギターロック。ボーカルライン全てがサビのようで強力にフックのある曲となっている。やはりこの曲でも全てを包み込むようなストリングスが鳴り響いている。
3 The Rolling People
リバーヴの効いた残響のようなギターフレーズが印象的な曲。2:30分頃からアンビエントな質感のアルペジオが鳴り静かになるが、3:15分頃から厚みのあるダイナミックなサウンドに切り替わる。この曲もボーカルのメロディーは全編を通してサビのようで7分の曲だが体感では4分位に感じる。
5 Catching the Butterfly
「サイレン」のような電子音とアンプのハウリングが重なるダークなイントロからはじまり、その後は太くディープなベースラインを中心に進行される。「彼方に見える雨雲」のように不穏なギターフレーズが「サイケデリックな陶酔感」をリスナーに与える。
7 Space and Time
メランコリックなアルペジオではじまる曇り空のような雰囲気のイントロだが1:20分頃にアンプのハウリングが聴こえてきてダイナミックなギターロックに変貌する。その後も「静」→「動」のダイナミズムが繰り返されるが一貫してスウィートなリチャード・アシュクロフト(vo)のボーカルラインが曲に整合性を与えている。