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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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1st 2ndアルバムですでに自分たちの「やりたい事は全てやった」感のあるスウェード(Suede)。新ギタリストとキーボーディストが加入してセールス的には最も成功したアルバム。感想としてはこれまでのスウェード(Suede)にあった退廃的な要素が少し後退して、躍動感のあるリズム、無機質な音と少しコミカルで軽快なボーカリゼイションの導入が印象的である。強烈なインパクトを残した初期作(1st 2nd)からの変化は各メンバーに相当なプレッシャーを与えたに違いない。

独自性の高いサウンドでセールス的にも成功、またメンバーのキャラクターやイメージなどもあり「これまでの音を踏襲しつつ新機軸を試みて過去を超える」事はあまりに困難と言える。この作品を聴いて真っ先に思う浮かんだのが日本のアーティスト/ルナシー(LUNASEA)が98年にリリースしたSHINEというアルバムである。クオリティーの面では良質だが、コアファンから「かつてほどは評価されない条件」が完璧に揃いすぎている。

    「要点」

  • 「強烈な初期作」と比較され続ける可哀想な作品
  • 退廃的な雰囲気は減退し躍動感が加わった

「曲解説」

1 Trash

これが新しいスウェード(Suede)だと言わんばかりの勢いとポジティヴな意味でのポップさを感じるオープニング曲。前作でピークを迎えたメランコリックでダークな世界観は少し後退して木漏れ日のような眩しさを感じる。
2 Filmstar

明らかに新機軸。原始的なリズムパターンと無機質な質感のギターサウンドが新しく、光線のような直線的なキーボードの音色が眩しい。ちょっと舐めた感じの「イエイ ,イエイ♪」というコーラスが新鮮。過去の栄光にしがみつく気は一切ないのは嬉しくもあり寂しくもある。
4 She

原始的で躍動感のあるリズムの上をシンフォニックでシリアスな雰囲気のシンセサウンドと「ザッ、ザッ」と空間を切り裂くようなギターフレーズが躍動。最後は壮大なストリングスが全体を包みこむように流れ静かに終わる。
6 Beautiful Ones

マイナー調だけど不思議な明るさを感じることができる曲。「輪郭がはっきりとした」耽美的なフレージングは良くも悪くも前任ギタリストとは違う個性があり、ブレット・アンダーソン(vo)のボーカルは少しコミカルな軽快さすら感じさせる。初期作の音が強烈だっただけに少しの変化が劇的な変化に聴こえる。
8 picnic By the Motorway

スウェード流サイケデリックという感じ。光に包まれて視界が真っ白になり「これまでの事」が高速でフラッシュバックするような曲。

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