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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「1 天体観測」
新世代の文系ギターロックアーティストとして日本の音楽シーンに強烈なインパクトを与えたバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)の代表曲

過去にリリースされた曲と比べ圧倒的にサウンドの太さ・疾走感が増しており、またメロディーも流れるような質感で非常にキャッチーなものとなっている。この曲はこのサウンド・メロディーの充実だけでも十分にシングルカットされるべき曲なのだが、この曲を特別なものとしているのは、やはりバンプらしい「ストーリー性の高い歌詞」であると感じる。

作詞者の藤原基央は「日常の些細な感情・出来事をストーリー化する」「感動的な素晴らしいアニメや漫画を見ているかのような錯覚を味わえる」独自の歌詞でこれまでも才能を遺憾なく発揮してきた訳ではあるが、この曲の歌詞は「少年・少女時代のドキドキ感と切なさ」を 誰もが一度は経験した事がある「天体観測」と絡める事でこれまでのどの曲の歌詞よりもリスナーの心に深く突き刺さる。

「見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込んだ」少年・少女時代を経て僕らは成長し大人になったけれど未だに何も見えていない。「明日が僕らを呼んだって返事もろくにしなかった」というラインは「十代の後悔」を端的に言い表した名ラインであると感じる。

メジャーデビューを果たし「丸くなる」また「無個性」になるアーティストも多いが、バンプはメジャーデビューすることでより作品のクオリティーと強度を上げている。リスナーに迎合せず、より深くリスナーが共感できる世界観の提示はお見事というほかない。

    「要点」

  • ・「1 天体観測」・・・「明日が僕らを呼んだって返事もろくにしなかった」というラインは「十代の後悔」を端的に言い表した名ラインであると感じる。
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