「曲解説」
3 LET'S DO THE MOTION
「早歩き」のようなスピーディーなラップが印象的なヒップホップソング。分厚い質感の女性コーラスはまるで「教会の窓から差し込む光」のように眩しく力強い(3:11〜)デジロックのようなギターリフが登場して曲にサイバーな質感を与える。
4 PRIVATE
東洋的なメロディーと浮遊感を感じるテクノポップでYMO(イエロー・マジック・オーケストラ)からの影響を強く感じる。「ずっしりと重たい鉛」のようなビートと「壊れそうなガラス細工」や「メランコリックな曇り空」などといった形容が似合うシンセサウンドが曲をシリアスにしている。歌詞の内容は「濃厚なベッドタイム」を連想するものではあるがエロ匂はあまりせず耽美的。
6 Don't wanna cry (Eighteen's Summer Mix)
アシッドハウスにジャジーな渋さと90年代的なストリート感を加えたトラックに乗せて「祈るだけではだめ」と傷つき憂鬱な気持ちを抱えた10代に対して行動促す歌詞をエモーショナルに歌い上げる名曲。やはりこの曲でも「眩しい光」のようなゴスペル風コーラスを大胆に採用している。バックで「目立たないクラスメイト」のように鳴り響くカッティンギターは小室氏によるものだろうか?!
7 Rainy DANCE
タイトル通り「強く降り注ぐ雨音」がSEで登場するメランコリックでポップなR&B。「繰り返される波」のようなゆったりとした雰囲気を終始感じるのだが時折ソニックに切り込んでくるブレイクビーツが曲にエッジを与えている。
8 Chase the Chance (CC Mix)
「夢なんて過去にも未来にもない、現在追うべきものだ」言い放つ熱量と「誰のせいでもないから怒らない」というクールネスが混在した歌詞が、
当時のティーンエイジャーに熱烈に支持されたヒットソング。サウンドは808ステイト(808 State)のようなテクノサウンドをアッパーで畳み掛けるようなビートに絡めたようなイメージである。
10 I'LL JUMP
爽快さとメランコリックな質感が混在したアナログな質感のテクノサウンドが印象的な曲で歌詞の内容は「叫びそうな位のこらえられない想い」についてである。
12 i was a fool
「曇った早朝」のような質感のR&B。ディープでミニマムなベースラインが静かに時を刻み、枯れたサックスやクリーンなギターワークは「誰もいない早朝のオフィス街」のような孤独感を演出している。
15 You're my sunshine (Hollywood Mix)
オリジナルバージョンに「祝祭性を感じるラテン的なアレンジ」を施しレイヴ感を強めている。「優雅な風を感じるストリングス」「先住民が奏でるダンサブルなパーカッションのようなビート」が印象的。最後は「校舎の屋上から自身の秘密を独白する」ような質感のアカペラで幕を閉じる。
18 SWEET 19 BLUES
「深夜徘徊」のようなシリアスさとディープさをもつサウンドにのせて「大人でも子供でもない等身大の19歳の揺れる気持ち」を歌ったヒットシングル。
揺れる気持ちは「絶対にmaybe」という歌詞にも表れている。歌詞の主人公は友達から相談事などをよくされるタイプであり、人前では強く振舞ってはいるが実は自分もそんなに強くないというナイーヴな気持ちを抱えている。