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live at the indoor
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トランスにどっぷりハマった小室哲哉が「トランス以降の感覚」で作り出したTKサウンドを堪能できる作品であり、一部の楽曲の作成とレコーディングにYOSHIKI/エックスジャパン(X JAPAN)が参加している事でも話題を読んだ。

「歪んだシンセサウンド」「スペーシーな音響」「うねる重低音」などを中心としたトランスをベースとしたサウンドに「キラキラした電子音」や「アンビエントな旋律」などをうまく反映させている。また「4 THE BOX」はグローブ(globe)が初めてヒップホップに接近したようなイメージの曲であり非常に新鮮である。

歌詞はどこか「壊れた・病んだ質感」のものが多く、後に著作権の問題で逮捕される小室哲哉自身を連想させるフレーズなども登場する(「1 out of©control」「ある弁護士が著作のトラブルに」)。この頃の小室哲哉は借金苦でまともな精神状態で音楽制作ができない状態であったのであろう。

    「要点」

  • ・一部の楽曲の作成とレコーディングにYOSHIKI/エックスジャパン(X JAPAN)が参加。
  • ・後に著作権の問題で逮捕される小室哲哉自身を連想させるフレーズなども登場する(「1 out of©control」「ある弁護士が著作のトラブルに」)。

「曲解説」

1 out of©control

「歪んだ重低音」「キラキラと舞う電子音」「無機質に演出されたKEIKOのボーカル」が印象的なオープニングチューン。歌詞は正常ではない精神状態で書かれたと思われる内容で「小室哲哉氏の近い将来」を予見するようなライン(「ある弁護士が著作のトラブルに」)も登場。
2 get it on now feat. KEIKO

スペーシーな浮遊感が強調された四つ打ちチューン。時折、登場する「アンビエントで透明」なピアノの旋律が曲にアクセントを与えている。サビのボーカルラインには「ボーカロイド」のようなエフェクトが掛けられている。(4:30〜)「泥水」のような質感のグランジギターが登場。歪んで小汚いギターサウンドが曲の透明感を更に引き立てる。
3 weather report

ボーカルラインがティー・エム・ネットワーク(TM NETWORK)風なスペーシーなトランスチューン。歌詞は「モバイルで全てを完結する若者に対して警笛を鳴らす」ような内容となっているが、小室哲哉の思いとは裏腹に世の中はより「手のひらでほとんどの事が完結する世の中」となっている。「1 out of©control」同様にこの曲の歌詞にも借金苦によって追い詰められている小室哲哉の「心の病み/闇」が反映されていると感じる。
4 THE BOX

KEIKOの流れるようなラップをフィーチャーした曲。全体を通して無機質で立体的なベースサウンドが曲にディープな質感を与えている。これまでグローブ(globe)の曲にはヒップホップからの影響を感じるサウンドはほとんどなかった為、非常に新鮮である。
7 seize the light

YOSHIKI/エックスジャパン(X JAPAN)が楽曲作成に参加したアッパーだがメランコリックなシングル曲。この曲で聴く事ができる良質なサウンドは相当なお金が掛かっていると思われ、まるで「深い海」のようなディープさと静けさを感じる事ができる。歌詞はYOSHIKIと小室哲哉の共作となっているが「壊れていく気がして、永遠が」「心まで殺してでも生きてる」などのラインは間違いなくYOSHIKIによるものであると思われる。
9 compass

トランス的な「歪んだシンセサウンド」「スペーシーな音響」「うねる重低音」などをサウンドに反映しつつも全盛期のTKサウンドを彷彿とさせるキャッチーなボーカルラインが印象に残るポップチューン。トランスにどっぷりハマった小室哲哉が「トランス以降の感覚で作ったTKサウンド」という趣の1曲。

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