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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果11件

タグ「グランジ」のレビュー

グランジはもとより90年代USロックシーンを代表するバンドの一つパール・ジャム(Pearl Jam)日本ではニルヴァーナ(Nirvana)やスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)に比べると知名度が低い印象があるがアルバム4枚がビルボード初登場1位に輝くなどセールス面で大成功をおさめている。

「ヘヴィ」「うねり」「ダウナー」「スロー」「壊れた質感」などと言った音楽的な特徴を持つグランジ勢の中で最もトラディショナルなHRの要素が強く音楽的にもバランスを重視しておりサビの後ろで鳴らされるさりげないアルペジオやクランチ気味のカッティングなどは、ノイズ感全開の他のグランジバンドには見られない要素と言える。ただバランスを重視していると言ってもあくまで「グランジの中」における話であり、パール・ジャム(Pearl Jam)は十分にハードでヘヴィなバンドである。

    「要点」

  • グランジ勢の中で最もセールス的な成功をおさめている
  • トラディショナルなハードロック要素が強い

「曲解説」

1 Go

タイトなリズムとうねるベースラインの上を非メタルでソリッドな刻みリフが乗る。サビの後ろで流れるアンビエントな質感のアルペジオ(多分)は他のグランジバンドにはない展開(2:38〜)ワウを使った叫びのようなギターが鳴り響き曲は終わる。
2 Animal

ツインギターにとるハードなリフが中心となり展開される曲。ボーカルラインの後ろで鳴るクリーンなクランチのカッティングが印象的で ギターソロの後は全パートが更に熱量を高めテンションを上げるが、最高潮のところで曲は唐突に終わる。
5 Dissident

乾いたブルージーなギターフレーズではじまる曲。このような他のグランジバンドが避けそうなトラディショナルなハードロック的アプローチも柔軟にやってしまうところがパール・ジャム(Pearl Jam)の個性かもしれない。
7 Blood

チャカポコしたワウギターによるファンキーなテイストと畳み掛けるラウドなバンドサウンドとの対比が印象的。ギターソロはぶっ壊れたグランジサウンドでそこにうねりまくるベースラインが絡み最高潮のところで曲はまたも唐突に終わる。
9 Rats

太くうねるベースラインを中心に展開され歪んだギターサウンドは「サイレン」のような音を出している。ギターソロはまたもワウを使っている(ワウの使用頻度の高さはこのバンドの特徴と言える)サビのボーカルラインの後ろではミニマムなシンセ(キーボード)が鳴っているおり、 このあたりの柔軟な姿勢はグランジというジャンルにおいては個性になる。

グランジはもとより90年代USロックシーンを代表するバンドの一つパール・ジャム(Pearl Jam)日本ではニルヴァーナ(Nirvana)やスマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)に比べると知名度が低い印象があるがアルバム4枚がビルボード初登場1位に輝くなどセールス面で大成功をおさめている。 「ヘヴィ」「うねり」「ダウナー」「スロー」「壊れた質感」などと言った音楽的

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グランジムーブメントを代表するバンドの一つアリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)既存のHR/HMとは明らかに異なる質感を持ちパンクでもないスローでハードな音楽=グランジだとするなら、アリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)の音楽は誰よりも「グランジ」なのかもしれない。

「リズム的に違和感を感じるギターリフ」「おどろおどろしい雰囲気」「スローな曲をサビで更にスローにする方法論」などが音楽的な特徴としてあげられる。またレイン・ステイリー(vo)の壊れた歌声は哀愁と不穏さが同居しており、カート・コバーン/ニルヴァーナ(Nirvana)に匹敵する声の持ち主だと思う。

    「要点」

  • グランジらしいダーティーさが魅力
  • スローな曲をサビで更にスローにする方法論

「曲解説」

1 Them Bones

スローなテンポより更にスローなギターリフが鳴り響く曲。気のせいかもしれないが本曲のリフはhideのロケットダイブのリフに少しだけ似ているような気がする(2:10〜)メロディックなボーカルラインが登場するが、それもつかの間、唐突に途切れるように曲が終わる。
3 Rain When I Die

フィードバックノイズとアバンギャルドなギターノイズの絡みがおどろおどろしい雰囲気を醸し出す。「ガラスの割れた」ような音が鳴ったあとはワウが掛かった叫ぶようなギターリフが鳴り響く(3:20〜)素晴らしいボーカルラインが聴けるがスグにヘヴィな展開に戻る。「メロディックな曲なんてやるもんか」という意地すら感じる曲である。
5 Sick man

トライバルで躍動感のあるリズムと「リズム的に違和感を感じる」ぶつ切りのギターリフが絡み合う。そしてそこにリスナーを「底なし沼に誘い込む」ようなレイン・ステイリー(vo)の「壊れた」ボーカルラインが響き渡る。その後、強烈なシャウトの後にサビを迎えるが、ただでさえスローなリズムが更にスローになるというまさかの展開を見せる曲。
8 Dirt

オリエンタルなムードを醸し出す歪んだワウギターが鳴り響くイントロが特徴。メインのギターリフはやはり「リズムより更にスロー」で不思議な違和感を感じる。
13 Would?

どんよりとした雰囲気のベースラインとギターの絡みが雨雲を連想させ、エモーショナルで掠れたレイン・ステイリー(vo) の叫びはカート・コバーン/ニルヴァーナ(Nirvana)に匹敵する凄みを見せつける。

グランジムーブメントを代表するバンドの一つアリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)既存のHR/HMとは明らかに異なる質感を持ちパンクでもないスローでハードな音楽=グランジだとするなら、アリス・イン・チェインズ(Alice in Chains)の音楽は誰よりも「グランジ」なのかもしれない。 「リズム的に違和感を感じるギターリフ」「おどろおどろしい雰囲気」「スローな曲をサビで更にスロ

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聴く前からヘヴィーな音楽だとは思っていたが想像以上にヘヴィーでグルーヴィーだった。キャッチーなポップ性はほとんんどなく全編にわたり「砂鉄」「鉄球」「渦巻き」などを連想するヘヴィでうねるギターリフが鳴り響く。カート・コバーン/ニルヴァーナ(Nirvana)をして「こんな奴等にかなうわけがない」(wiki)と言わしめたのも納得のヘヴィネスが鳴っている。

サウンドガーデンの存在がなければヘヴィメタルの問題作Metallica(black album)/メタリカ(Metallica)は生まれなかったのでは??と思えるほどだ。クリス・コーネル(vo)の歌唱力はまさにモンスター級で本作の圧倒的なヘヴィネスに飲み込まれるどころかブルドーザーのように縦横無尽に暴れまくっている。

    「要点」

  • 渦巻きのようなスローなグルーヴ感を体感できる
  • クリス・コーネル(vo)の歌唱力はまさにモンスター級

「曲解説」

1 Rusty Cage

性急なリズムアプローチと少し時間差があるように聴こえるギターリフが斬新(2:50〜)ヘヴィでゆったりと渦を巻くグルーヴィーな展開を見せるがクリス・コーネル(vo)のボーカルラインはその渦に飲み込まれず圧倒的な存在感を示している。
2 Outshined

「Metallica(black album)/メタリカ(Metallica)」に収録されているヘヴィな曲と共振する「砂鉄」のようなヘヴィでうねりまくるリフを中心に展開される(3:30〜)リフが止まり少し歪んだ音色のアルペジオがはじまり静けさを感じるのだが(4:15〜)クリス・コーネル(vo)の強烈なシャウトをきっかけにヘヴィな展開に戻る。キャッチーな要素がほとんどない曲だが、サビのコーラス(So now you now♪)は一瞬そよ風が吹いたかのような爽やかさを感じる。
3 Slaves & Bulldozers

「金縛り」のように不穏なフィードバックノイズが鳴り響く中、やはりヘヴィで地を這うヘヴィリフがうねりまくる。クリス・コーネル(vo)のブルドーザーのようなシャウトがただでさえヘヴィでうねりまくるこの曲をさらに混沌としたものにする。ギターソロはアンプを破壊するかのようなアバンギャルドなノイズ音となっており、ギターソロ以降はメインリフが高音を生かしたノイズリフに変わり曲をさらに凶暴にする。
5 Face Pollution

パンク的な疾走感のある曲だが、ニルヴァーナ(Nirvana)などのグランジバンドと比べると圧倒的に濃くてヘヴィ。ギターソロはなく随所にキャッチーなホーンの音が入っているのが印象的。
8 Room a Thousand Years Wide

 「鉄球を引きづりながら歩いている」かのような「ドドドッ」というシンプルなリフとレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)トム・モレロのプレイを思わせるサイレンのようなサウンドを中心に進行。「ノドにアンプが入っている」としか思えないクリス・コーネル(vo)の絶叫の後ろで鳴るのはギターソロではなくホーンセクションによるソロパート。このあたりは今まで触れたことがセンス。
9 Mind Riot

  スローなリズムにオリエンタルな香りのするギターリフが絡みつき進行する。ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)にも通じる雰囲気がある曲でこのあたりが彼らがヘヴィメタルにカテゴライズされない所以だろう。

聴く前からヘヴィーな音楽だとは思っていたが想像以上にヘヴィーでグルーヴィーだった。キャッチーなポップ性はほとんんどなく全編にわたり「砂鉄」「鉄球」「渦巻き」などを連想するヘヴィでうねるギターリフが鳴り響く。カート・コバーン/ニルヴァーナ(Nirvana)をして「こんな奴等にかなうわけがない」(wiki)と言わしめたのも納得のヘヴィネスが鳴っている。 サウンドガーデンの存在がなければヘヴィメタルの問

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グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。

本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを誇る。ピクシーズやソニックユースに影響を受けたと思われる壊れた質感を持つ重厚なギターサウンド、アコースティックな響きを持つ新機軸、グランジ・オルタナを経たゴスのような曲など収録曲はバラエティーに富んでいる。トム・ヨーク(vo ,g)という人は明らかに「ジョンレノン」や「カート・コバーン」同様に選ばれた人間だけが持つ声をしている。

    「要点」

  • エモーショナルギターロックの傑作
  • 喜怒哀楽全てを表現するトリプルギター

「曲解説」

1 Planet Telex

上空を連想するSEからはじまるオープニング曲。前作にはないミニマムな電子音が鳴り響きギターロックと並行。空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができるサウンドになっている。
3 High and Dry

レディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも屈指の名曲。歌詞の内容は「人と繋がるために偽りの自分を演じている主人公がいつか自分は見放されるのでは?」と怯えている曲。SNS登場以降の「人にどう思われるか?」を過剰に重視する現在人を皮肉っているかのような歌詞だが本作が発売されたのは95年。
4 Fake Plastic Trees

シンプルなアコギのストロークと微かなにあかりを灯すような電子音の上をトム・ヨーク(vo)がエモーショナルに歌い上げる名曲。
5 Bones

「踏切の音のようなギターフレーズがリフレインされ淡々と進行するパート」と「エモーショナルでダイナミックなギターロック」が交互に繰り返される曲。やはりこの曲でも空を飛んでいるかのような浮遊感を感じる事ができる。歌詞の内容は「以前、当たり前に出来ていた事が出来なくなった主人公の喪失感とそれを他人事だと思っている人たちに対する警告」のような内容。
6 Nice Dream

ノスタルジーな雰囲気のする軽やかなアコギのストロークとストリングスを中心に展開される。本曲のハイライトは(2:30〜)始まるギターソロで最小限の手数で見事なアクセントとなっている。
7 Just 8 My Iron Lung

「静」→「動」でダイナミズムを強調するオルタナ的展開は完全にマスターしたと言わんばかりの2曲。事実、このアルバムを最後に彼らはオルタナ的展開を一切使わなくなった。ジョニー・グリーンウッド(g)による壊れまくったオルタナギターソロは必聴。

グランジの影響が非常に強く性急で畳み掛けるようなギターサウンドが特徴だった1stアルバムからまるで別人のような進歩を遂げた2ndアルバム「The Bends」1stアルバムの延長線上のような曲はほとんどなく、静と動はもちろん喜怒哀楽の全てをダイナミックに表現できてしまうトリプルギターサウンドが冴え渡る。 本作こそがレディオヘッド(Radiohead)の最高傑作というファンも存在する程のクオリティを

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91年に発売されたニルヴァーナ(Nirvana)のメジャーデビューアルバム「NEVER MIND」。91年は本作以外にもマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)がアルバム「LOVELESS」で歪んだギターを重ねたサウンドレイヤーと甘美なメロディーで「ここではないどこか」な音世界を作り上げ、プライマル・スクリーム(Primal Scream)がアシッドハウスに傾倒した「Screamadelica」※和訳で「呪縛」※をリリースするなどシーン全体で見ても大豊作であった。

このような名作揃いの91年リリースのアルバムの中でも後の音楽シーンそして世間のトレンドや価値観に最も影響を与えたのが今作であり、全ての曲に存在する強力にフックのあるボーカルラインのメロディーが「静」→「動」のコントラストのある展開でよりダイナミックに響き、カート・コバーン(vo)の選ばれた人間だけが持つ「生理的に気持ち良い声」により脳内にインプットされる。ダイナミックでメロディックなボーカルラインを更に引き立てるのがニルヴァーナ(Nirvana)の最大の魅力である「混沌」としたカオスなコード進行。

筆者もニルヴァーナ(Nirvana)の曲をギターでコピーした事があるがおそらく理論的な要素はほとんどなく「完全感覚」で作られていると思われる。ニルヴァーナ(Nirvana)を聴いた後に「健全な」ハードロックやメタルを聴いてみると、そのあまりに当たり前な「音の響き」にビックリする。またニルヴァーナ(Nirvana)の曲は例外を除いて「特定の感情を持つ事が難しい」と感じる。彼らの曲は「悲しくもなく」「愉快でもなく」「センチメンタルでもない」混沌としたヒリヒリした感覚のみをリスナーに与える。

短いフレーズがリフレインされる強力にフックの効いたボーカルラインがダーティーで混沌としたコード進行により更に引き立ち、またボーカルラインのメロディーの良さとカートコバーンの声が曲の混沌さをよりカオスにする。ニルヴァーナ(Nirvana)は93年に傑作アルバム「IN UTERO」をリリースする。「IN UTERO」はある意味ニルヴァーナ(Nirvana)マニア向けであり、先述した「混沌とした音」とカートコバーンの叫びというコア要素でのみ成立しているアルバムだが本作「NEVER MIND」はギターロックの流れを変えた1枚であると同時にニルヴァーナ入門編としても最適だ。

    「要点」

  • 「混沌」としたカオスなコード進行
  • ロックの流れを変えた1枚であると同時にニルヴァーナ入門編でもある

91年に発売されたニルヴァーナ(Nirvana)のメジャーデビューアルバム「NEVER MIND」。91年は本作以外にもマイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)がアルバム「LOVELESS」で歪んだギターを重ねたサウンドレイヤーと甘美なメロディーで「ここではないどこか」な音世界を作り上げ、プライマル・スクリーム(Primal Scream)がアシッドハウスに傾倒し

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