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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「1 SCARS」
イントロの「レーザー光線」のような電子音だけでhideが作曲したという事が分かる曲であり、hideが傾倒していた「インダストリアルロック」の要素をXJAPANのサウンドに大胆に導入している。ちなみにではあるがエックスジャパン(XJAPAN)最後のオリジナルアルバム「DAHLIA」には「SCARS」だけでなく「DRAIN」というインダストリアルチューンも収録されている。

この曲のサウンドの特徴はなんと言っても「ロボットが弾いた」ようにカチッとした無機質でヘヴィなギターサウンドと「素顔」のようなキーで歌われる「メロディックな語り」風のToshi(vo)のボーカルである。歌詞は「苦悩」をテーマにしたものであると思われるが「yoshikiの苦悩」とはまたタイプの異なる「自問自答系の苦悩」をテーマにしている。

「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

メンバーの中で誰よりも冷静に物事を見つめるhideは、この頃には既にToshi(vo)の異変に気付いていたのであろう(2:47〜)ギターソロの後に他のヘヴィ系アーティストでは中々聴けない「ただ一人夜の星を見つめる」ような静寂パートが挿入される。「過去の戻らない記憶」に対して祈りを告げるようなイメージの歌詞とは対照的にToshiのボーカルには薄っすらとディストーションがかけられている。

「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」
アルバム「DAHLIA」に収録されているオリジナルバージョンを大胆にアレンジしており、サビでは「楽園」のように華やかなハウスミュージックを思わせる展開をみせる。またオリジナルバージョンはマッシヴ・アタック(Massive Attack)からの影響を大胆に反映させた「沈む」ようなメランコリックチューンとなっている。

この時期のエックスジャパン(XJAPAN)は「激情をクラシカルな美旋律に変換して奏でるハードチューン」「美しくクラシカルなバラード」というエックスジャパン(XJAPAN)サウンドにおける2本柱以外の「新たな音楽的な軸」を構築する為に様々な試行錯誤を行なっていた時期なのだろう。

歌詞は「関係が冷めきったカップルの別れ」のようなものとなっているが、おそらくではあるがこれは「当時のバンドの関係性や温度感」の事を歌っているのであろうと思われる。

Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。

    「要点」・「1 SCARS」「かけ違いのボタンでさえ知らずに奏で続けた」「君の壊れたメロディー二度と交わらず」などの歌詞は、 今後のメンバー(TAIJIも含む)に起こる全ての「ネガティヴな現象」を予言しているかのようで恐怖すら感じる。

  • ・「2 White Poem I (M.T.A. Mix)」冷めた関係性をテーマにしている歌詞、Yoshikiはこの時点で既に解散は不可避であると明らかに悟っている。
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