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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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インディーズ時代にリリースされたバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)の2ndアルバム。本作リリース当時はメンバーが様々な問題に悩まされていた暗黒期であり(wiki)そのダークさは「濃厚な哀愁が漂うアルバムジャケット」にも反映されている。

このバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)というバンドは、ある意味「音楽レビュアー泣かせのアーティスト」であると感じる。様々なアーティスト・サウンドからの影響を受けているのだろうが「全て自然体の自分たちのサウンドに変換」してしまうので「〜からの影響」「〜が好きなのだろう」という文脈で語る事が非常に難しいのである。

このある種「癖のない自然体なサウンド」がリスナーに「ロックを聴いている」という感覚ではなく、どこか「ストーリーを読んでいる(見ている)」という感覚を与えるのであろう。筆者の感覚としてはロックにさほど興味はないが、バンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)は好きという人は結構いると思われる。

歌詞は「前作を更にディープにした」ような内容となっており、ほとんど全ての曲が物語仕立てになっている。とりわけ「人間としてどのように生きるべきか?!」をリスナーに問いかける「2 グングニル」は珠玉の出来。

    「要点」

  • ・本作リリース当時はメンバーが様々な問題に悩まされていた暗黒期であり(wiki)そのダークさは「濃厚な哀愁が漂うアルバムジャケット」にも反映されている。
  • ・癖のない自然体なサウンドはリスナーに「ロックを聴いている」という感覚ではなく、どこか「ストーリーを読んでいる(見ている)」という感覚を与える。

「曲解説」

2 グングニル

ファイナルファンタジーの「召喚獣」が持つ伝説の槍「グングニル」からヒントを得たと思われるタイトルがインパクト大の疾走系ロックチューン。この曲も「ストーリーをポップソング化する」独自の歌詞が秀逸であり「夢を達成できるのは夢を信じ行動した者だけであり、夢などもたない大多数の者たちは、いつも夢を持つ者を馬鹿にしたり「上手くいかなければ良い」と人の不幸や苦難は願っているものだ。だが、君にだけは「そういう人間」にはなって欲しくない。人にどう思われるかを気にせずに自分の信じる道を進むんだというイメージの内容となっている。「ストレートに言語化」すればある種クサくなってしまうような歌詞の内容でも「ストーリーライター」として破格の才能を持つ藤原基央の手に掛かるとスッと耳に入ってくるから不思議である。
3 ベストピクチャー

強烈に歪んだギターサウンドと表情豊かな藤原基央のボーカルが印象的なギターロック(2:50〜)ギターソロはサビのボーカルラインをアレンジしたシンプルなものとなっている。歌詞は考えさせられる内容で「安いアパートに住んで「売れたい・認められたい」為に必死になっている絵描き」と「お城みたいな家に住んでいるけど筆も心も何かに縛られたままの絵描き」という対照的な2人についてである。どちらが良い悪いではなく野心や保身ありきの絵は「純粋に好きで描く絵」には勝てないという事を言っているのであろう。おそらく。
5 ランプ

「ハートの中にある情熱のランプ」についてエモーショナルに歌い上げる曲。歌詞はやはり物語仕立てであり「ハロー、ハロー気付いておくれ」「ハロー、ハロー聞こえるだろう?」などと「ランプ自体」が主人公に話かける。最終的に信じるものは自分自身であり、自分自身が情熱を持てる限り道は開けるという事を歌っているのであろう。
9 グロリアスレボリューション

バンプ流パンクロックという類の曲。この曲に限った事ではないがバンプのサウンドは様々な音楽に影響を受けていると思われるが「アーティスト的な気難しさ」とは一切無縁であると感じる。この曲の歌詞は一見すると訳の分からないものだが、おそらく日常の些細な感情・出来事を言語化していると思われる。

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