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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果62件

カテゴリー「名作」のレビュー

「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバムでグレイプバイン(GRAPEVINE)のキャリアを代表する作品となっている。

90年代末に多く現れた文系ギターロック・アーティストの多くは「UKギターロック」に多大な影響を受けていたと思われるが、本作に収録されているサウンドはUKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている。このほのかに香る「ブルースの匂い」と個性的ではあるが同時に「不思議な親近感と甘さ」を感じる田中和将(vo)のボーカルがグレイプバイン(GRAPEVINE)の最大の個性である。

また「2 スロウ」における繊細で混沌とした文学的表現は見事と言うほかなく個人的には何故?!彼らがセールス的な大ブレイクを果たさなかったのか?!不思議で仕方がない。

    「要点」

  • ・「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバム
  • ・UKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている。

「曲解説」

1 いけすかない

「曇り空」のようなUKギターサウンドと「ほのかに香るブルースの匂い」が混ざり合った曲。田中和将(vo)のボーカルラインは日本語らしいイントネーションを活かしたパートと外国語的なイントネーションをしているパートが同居している。この感覚はまるで「邦楽を聴いているが洋楽を聴いている」ようである。
2 スロウ

「深い海」のような音響とギターサウンドが「ギターロック期のレディオヘッド(Radiohead)」のような代表曲。歌詞は「文学的な表現の塊」となっており「知的な若者の恋愛への諦念を言語化した」ようなイメージである。「めぐりあうたびに溺れる」が同時に「探りあうたびに汚れる」というラインは10代にしか理解できない心境ではないだろうか。
3 SUN

「平凡な日の昼下がり」のようなアコースティックソングからサビでエモーショナルに豹変するギターロック。この曲のサビも日本語で歌っているがイントネーションは英語風であり「UKギターロックを聴いている」ような錯覚に陥る。
4 光について

「悟りを開いた文学者が口にしそうなタイトル」の曲。サビのボーカルラインは珠玉の内容で大袈裟なメロディーではないのだが、メランコリックかつ流れるようなメロディーですぐに頭にインプットされる神ラインとなっている。歌詞の内容は 音楽シーンに身を置きこれまでと全くことなる生活を送る中で感じた「繊細な喪失感を言語化した」ようなイメージである。 若い主人公は「何もかも全て受け止められる事」が出来なかったのであろう。この素晴らしいシングル曲が大ヒットをマークしなかった事は個人的に非常に残念だ。
6 Lifework

「ガラス瓶の中で歌っている」ようなエフェクトが掛けられている田中和将(vo)のボーカルが印象的で「気怠いサイケ感」を感じる曲となっている。歌詞は「マンネリ化した交際」や「結婚生活」に対する悟りのようなイメージとなっている。間奏部では「60年代サイケ」のようなオルガンが響き渡る。
7 25

アルバム収録曲の中で最もパンク調の曲なのだが「濃厚な文系ギターロックの香り」がする歪みチューン。間奏部ではブルースハープが披露される。
8 青い魚

「海の中で揺らめく」ようなサイケな音響を感じるカバー曲。ギターサウンドは漂うようなものとなっており音響構築に徹している。歌詞は虚無的と言っていい内容で「全てを失ったものの悟り」のような内容となっている。歌詞に登場する「グロテスクな子供」というラインは中々出てこない表現である。
10 白日

田中和将(vo) のボーカルが一層気だるいブルース調のギターロック。「夢は夢のまま」というラインが「シリアスな現実」のように突き刺さる。歌詞は失恋を経た主人公が「捨てられない言葉」を抱えつつも日常を走り抜けるようなイメージである。
11 大人 (NOBODY NOBODY)

ノスタルジーな雰囲気と肩の力が抜けたリラックス感を感じるアコースティックソング。歌詞は「言葉を発するのは簡単だが、正確に伝えるのは難しい」という内容で主人公は面倒なコミュニケーションにウンザリしているのであろう。
12 望みの彼方

グレイプバイン(GRAPEVINE)の音楽性を「ギュッと凝縮した」ようなエモーショナルな曲。「真夏に咲いた花は枯れて」というラインはまるでアートスクール(ART-SCHOOL)のようである。

「2 スロウ」「4 光について」という日本のギターロック史に残る名曲が収録されている2ndアルバムでグレイプバイン(GRAPEVINE)のキャリアを代表する作品となっている。 90年代末に多く現れた文系ギターロック・アーティストの多くは「UKギターロック」に多大な影響を受けていたと思われるが、本作に収録されているサウンドはUKギターロック的なナイーヴさの中に「ブルースの匂い」を絶妙に織り交ぜている

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「1 Anytime smokin’ cigarette (STRAIGHT RUN)」
過去の恋愛に大きな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詞の世界観は「やさぐれたテイスト」であり、本来であれば音楽ビジネスの頂点に君臨するモンスターグループがシングルカットするような内容ではないが、2ndアルバム「FACES PLACES」作成時にTKが傾倒していた「グランジ」からの影響をダイレクトに反映している曲となっている。

グランジの音楽的な特徴はザラついたダーティーな音と「ネガティヴィティーをエモーショルに吐き出すボーカル」にこそある。詞の主人公は自らを「落ちている石」と自虐的に形容している。

歌詞の内容は「モラトリアム」であり、なくした過去の恋愛に対して「言われた通りにすれば良かった」と素直に反省している反面、20才を過ぎたと言うのに「ガキのように操られている」状況に対するフラストレーションをブチまけている。また自己完結するだけではなく「色んなルールをもっている同世代の仲間」にも言及している。彼女たちの中では「馬鹿げてる話と車には乗らない」という共通認識があるようだ。

この曲で聴けるKEIKOのボーカルはテクニックよりエモーショナル重視となっており、歪んだギターサウンドはあまり登場しないこの曲に「グランジロック」のようなダーティーなエッジを与えている。

    「要点」

  • ・ 過去の恋愛に大きいな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詩の世界観は「やさぐれたテイスト」。
  • ・「色んなルールをもっている同世代の仲間」にも言及、彼女たちの中では「馬鹿げてる話と車には乗らない」という共通認識があるようだ。

「1 Anytime smokin’ cigarette (STRAIGHT RUN)」 過去の恋愛に大きな後悔をもつ喫煙者の女の焦燥感をパッケージングした詞の世界観は「やさぐれたテイスト」であり、本来であれば音楽ビジネスの頂点に君臨するモンスターグループがシングルカットするような内容ではないが、2ndアルバム「FACES PLACES」作成時にTKが傾倒していた「グランジ」からの影響

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インディーズ時代のアーティスト名「LUNACY」をアルバムタイトルに名付けた終幕前のラストアルバム。

前作「SHINE」はファンの中でも賛否両論があり音楽的にも過渡期的な作品であったが、本作は「SHINE」のアルバムジャケットに描かれていた「トンネルを抜けた」ような開放感とビビッドな色彩を感じる事ができる。98年〜2000年までの彼らは「輝く」というワードをバンド内の共通認識として設定していたと思うのだが、本作で聴ける「ビビッドな色彩をまとったサウンド」こそが当時の彼らが目指したものなのであろう。

アルバムタイトルからも分かるように今作は「原点回帰」という意味合いもあると思われるが、彼らが今作で提示した「原点回帰」は音楽性ではなくアティチュードの面である。「音同士をギリギリのラインでぶつけ合う事で生まれる緊迫感」は 鳴っている音こそ異なるが狂気的(LUNACY)なインディーズ時代を彷彿とさせる。

本作はハードコアがルーツの一つでもあるルナシー(LUNA SEA)らしいパンチの効いた作品となっている。

    「要点」

  • ・インディーズ時代のアーティスト名「LUNACY」をアルバムタイトルに名付けた終幕前のラストアルバム。
  • ・彼らが今作で提示した「原点回帰」は音楽性ではなくアティチュードの面である。

「曲解説」

1 Be Awake

歓声をサンプリングしたSEで幕を開けるメロッディックなパンクチューン。歌詞は「命というゲームを楽しむ為に宇宙的に考え愛する未来に飛び立とう」という内容である。彼らは今回のアルバムのタイトルをインディーズ時代のアーティスト名である「LUNACY」と名付けた。鳴っている音こそ違うがこの曲では、昔のような各パートのぶつかり合いが堪能できる。
2 Sweetest Coma Again feat. DJ KRUSH

「1 Be Awake」同様に各パートが激しくぶつかり合うヘヴィチューン。DJ KRUSHが日本のロックアーティストをfeatしている事にまず驚かされる。ソリッドで鋭角的なJ(b)のベースラインはこれまでとは「別人」のようであり、歌詞は一聴するとラブソング風だが「熱いbeat」「挑発的なnoise」などのフレーズから考察すると「常に自分自身を興奮させてくれるアーティスト」の事を歌っているのでは?という気がしてならない。
4 KISS feat. DJ KRUSH

DJ KRUSHに全く遠慮せず各パートが主張しまくっているエロティックで壊れたポップチューン。この曲のベースラインも「2 Sweetest Coma Again feat. DJ KRUSH」同様に非常にソリッドである。J(b)は本作のレコーディングにあたり機材やベースを一新したのだろう。歌詞に登場する「華麗なこの指の舞」というフレーズがSUGIZO(g)らしくナルシスティック。
5 4:00AM

「気怠い明け方の雰囲気」を見事にパッケージングした名バラード。アルペジオ・オリエンテッドな幻想的なサウンドは彼らのお家芸であるが、この曲がもつ「モダンな質感」はこれまでにはないものである。RYUICHI(vo)の声は「病み上がり」のような掠れ声で曲の雰囲気に見事にマッチしている。歌詞はINORAN(g)を中心に書かれたものらしいが、やはりセンス抜群で「混ざりあえばいい、冷たく温かく」というフレーズは中々出て来ないであろう。最後はLUNASEAらしい終幕感を感じるカオスなノイズで幕を閉じる。
7 white out

激しくエモーショナルな曲が多い本作の中で、唯一リラックスした雰囲気を感じる真っ白なノイズポップ。SUGIZO(g)のギターサウンドはエフェクティヴで終始揺らめいている。歌詞は河村隆一色が強く「ねぇ」「〜しないでね」というフレーズが印象的である。
8 a Vision

パンクロックを更にシンプルにしたような直球のハイエナジーロック。作曲者は言わずもがなJ(b)である。歌詞は10代に「欲望のままに恐れずに突き進め!」と啓蒙するような内容となっている。「好きな事が嫌になる位、愛したなら掴めるハズ」というラインは、ライブハウスシーンからノンタイアップで音楽シーンの頂点に立った彼らが言うと説得力抜群である。「好きな事が嫌になる位、愛したなら」というフレーズはシンプルだが非常に奥が深い。筆者も好きで音楽レビューを書いている訳だが、日によっては「今日はなんか嫌だな」と思う事がある。だがしかし、日々、時間を見つけてはサイト更新を行なっている。要するにまだ「嫌になっていない状態」である訳だ。「嫌になる位、愛する」までの道は遥か先にある。
11 Crazy About You

アルバム「SHINE」に収録されていても不思議ではないシンプルなロックバラード。「熱を奪う乾いたこの都会」というフレーズが印象(2:43〜)SUGIZO(g)のギターソロは珍しく「ブルージーな熱量」を発するものとなっている。作詞はJ(b)が担当しているが、この歌詞に登場する「君」とはおそらくではあるが「hide」の事であると思われる。「天使を捕まえ届かぬ思いを伝えに行きたい」と思える相手はそうはいないハズである。

インディーズ時代のアーティスト名「LUNACY」をアルバムタイトルに名付けた終幕前のラストアルバム。 前作「SHINE」はファンの中でも賛否両論があり音楽的にも過渡期的な作品であったが、本作は「SHINE」のアルバムジャケットに描かれていた「トンネルを抜けた」ような開放感とビビッドな色彩を感じる事ができる。98年〜2000年までの彼らは「輝く」というワードをバンド内の共通認識として設定していたと思

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陰鬱でダークなサウンドと「狂気的・シュール」という形容がよく似合うぶっ飛んだ歌詞を前面に押し出しているルナシー(LUNA SEA) のメジャーデビューアルバム。

「活動するフィールドがインディーズからメジャーに変わっても自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。正直、万人受けするような内容でないが「ダークでインパクトのある音楽」を求めているリスナーには是非おすすめしたい「V系アルバム」となっている。

本作はインディーズ時代の神作「LUNASEA」と比べるとやや劣るが「歪み」と「クリーン」で役割を完全に分けているSUGIZOとINORANのツインギターが幻想的な空間を構築しておりルナシー(LUNA SEA)独自としか言いようのないサウンドを聴かせてくれる。

本作の最後に収録されている「12 WISH」の「虹」のようなカラフルな光は本作の中で異彩を放っており「こういうキャッチーでカッコいい曲も書こうと思えば書けるんだよ」とメジャーシーンを挑発するかのような存在感がある。

    「要点」

  • ・自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。
  • ・「ダークでインパクトのある音楽」を求めているリスナーには是非おすすめしたい「V系アルバム」となっている。

「曲解説」

2 Déjàvu

「ミステリアスな迷路」のような質感のV系クラシックで「地を這う」ようなJ(b)のベースラインが圧倒的な存在感を放っている。歌詞は「未来」→「過去」→「現在」というフレーズをうまくタイトルである「Déjàvu=既視感」と結びつけており遊び心がある。Déjàvu的に考えると「未来」は「過去」であり「過去」は「未来」でもある。
3 MECHANICAL DANCE

ビートロックをルナシー(LUNA SEA)なりに解釈したようなロックチューン。シンプルなビートと淡々と刻まれるベースラインが曲に疾走感を与えている。歌詞はぶっ飛んだ内容で「後ろから目隠しをされている事すら知らずに生かされている現代」をテーマにしていると思われる。おそらくではあるが人間に目隠しをしているのはルナシー(LUNA SEA)の初期の歌詞に頻出する「神」の仕業であろう。
4 WALL

アンビエントな残響ギターサウンドが心地よい「真っ白」なイメージの曲でSUGIZO(g , v)が奏でるバイオリンが幻想的な雰囲気を醸し出している。淡々とした曲でRYUICHI(vo)のボーカルラインも「あまり波が立たない昼間の海」のようであり、サビのメロディーも非常にゆったりとしている。歌詞は「喪失感」をテーマにしていると思われる。
5 Image

神秘的な雰囲気が濃厚な隠れた名バラードで「淡々と時を刻む」ようなギターの調べが曲に不思議な静けさを与えている。サビのボーカルラインは「神秘的なお経」のようであり「image or real」というフレーズを連呼するシュールなものであるが、低音が強調されたRYUICHI(vo)のボーカルが曲の雰囲気に見事にマッチしている。筆者の個人的な意見ではあるが、RYUICHI(vo)は低音をある程度意識したほうが声の良さが引き立つと思う。歌詞に登場する「愛エナジー」「夢エナジー」なるフレーズは正直、凡人には到底理解不能なラインである。
6 SEARCH FOR REASON

「アンビエントなクリーンサウンド」と「狂気的な歪みサウンド」が一つに溶け合い幻想的かつ、おどろおどろしい雰囲気を醸し出しているヘヴィーチューン(4:13〜)今では考えられないルナティックなRYUICHI(vo)のシャウトが炸裂。サビのボーカルラインは「駆け上がる前半」と「崩れ落ちる後半」に分ける事できる珍しいパターンである。サビの歌詞に「夢の中まで仮の心」なる陰鬱なラインをもってくるセンスには脱帽である。
7 IMITATION

軽快なギターフレーズを中心に展開されるノリの良いサウンドと「嘘で固められた表面的な人間関係」をテーマにしている歌詞のギャップが面白いシュールな曲。
11 MOON

後続のV系アーティストに多大すぎる影響を与えたV系クラシックな名バラード。この曲で聴く事ができるSUGIZO(g , v)のギタープレイは、ディレイを上手く活用した名フレーズである。「衝動的で尖った」インディーズバージョンと比較すると音にコクがあり「深い霧」のような音響が印象的である。歌詞の内容は「河村隆一のラブソングをV系的にシュールにアレンジした」ような文学的で素晴らしい内容となっている。
12 WISH

陰鬱で狂気的じみていて非常にダークであるメジャーデビューアルバムのラストを飾るルナシー(LUNA SEA)屈指の名ポップチューン。「1曲全てがサビのような曲を作りたい」(wiki)というテーマで作成された曲であり、曲全体から「虹」のようなカラフルな光を感じる事ができる。「明日さえ怖がる陰鬱な気持ちを抱えつつも光を求めて力強く歩き出した」ような歌詞は、他の収録曲にはない質感であり「救われたような」気持ちになる。「永遠を欲しがっても刹那を感じている」のラインは神ラインであり「些細な事で感情が揺れ動く十代の心情」を端的にそして詩的に言い表している。

陰鬱でダークなサウンドと「狂気的・シュール」という形容がよく似合うぶっ飛んだ歌詞を前面に押し出しているルナシー(LUNA SEA) のメジャーデビューアルバム。 「活動するフィールドがインディーズからメジャーに変わっても自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。正直、万人受けするような内容でないが「ダークでインパクトのあ

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「1 END OF SORROW」
「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。

アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れるアレンジがルナシー(LUNA SEA)らしく、多くのロックバンドにはない耽美性を感じさせる。

この曲は「緩急」をつけてダイナミズムを強調しているサウンドなのだが、やはり多くのUK・USギターロック・アーティストとはどこかニュアンスが違う「圧倒的な独自性」がある。ちなみにUK・USギターロック・アーティストの「緩急」は良くも悪くも「静」→「動」の変化が分かりやすいアレンジが多いのだが、ルナシー(LUNA SEA)の場合、日本人らしく「僅かな変化」で曲にダイナミズムを持たせている。

「2 TWICE」
SUGIZO(g)の前衛的なノイズギターとINORAN(g)のアンビエントな質感のアルペジオの対比が美しい浮遊感溢れるギターロックでルナシー(LUNA SEA)のバラードの中でも指折りの名曲であると思われる。

この曲がもつサイケな浮遊感はSUGIZOがフェイバリットに挙げる孤高のアーティスト・マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を彷彿とさせる。(3:35〜)「全ての感情をグチャグチャにする」ような強烈なノイズギターが吹き荒れる。このノイジーな質感のフレージングにおいても「確かなメロディー」を感じさせるSUGIZO(g)のセンスには恐れ入る。

歌詞は「封印していた思春期の恋愛感情を回顧する」ような内容となっており「黙って見ているだけでよかった」という歌詞は思春期男子の繊細な心情をズバリ言い表している。また「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

    「要点」

  • ・「1 END OF SORROW」・・・「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が 複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。
  • ・「2 TWICE」・・・「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

「1 END OF SORROW」 「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。 アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れ

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