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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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グランジロック的なダーティーな質感をTKサウンドに反映した2ndアルバム「FACES PLACES」から約1年後にリリースされた3rdアルバム。

前作ほどではないがギターサウンドを多くの曲で導入しており、エレクトロサウンドに「90年代US/UKギターロックからの影響」を反映させている。サビで「華やかに弾けるボーカルライン」はTKサウンドを象徴する重要な要素の一つだが、本作に収録されている多くの曲のボーカルラインは良くも悪くも「これまでとは異なるテイスト」であると感じる。

この「これまでとは異なるテイスト」が「意図したもの」なのか?!それとも「才能の枯渇」によるものなのかは正直、次作以降を聴いてみないとよく分からないが、本作と1st2ndを比べると「ポップ・ミュージックとしてのインパクト」にやや欠ける内容となっている事は間違いない。

本作ではほとんど全ての曲の作詞をTKとマーク・パンサーが共作しており「7 I’m bad」に関してはメインボーカルまでマーク・パンサーが務めており気怠く味のあるボーカルを披露している。独自のラップ・TKに全幅の信頼をよせられる作詞のセンスetc。マーク・パンサーはアーティストとしてもっと評価されるべきなのでは?!

    「要点」

  • ・本作ではほとんど全ての曲の作詞をTKとマーク・パンサーが共作。
  • ・独自のラップとTKに全幅の信頼をよせられる作詞のセンスetc マーク・パンサーはアーティストとしてもっと評価されるべきなのでは?!。

「曲解説」

2 UNDER Your Sky

「盛り上がりそうで盛り上がらない」珍しいボーカルラインをもつ曲。ギターサウンドをフィーチャーしているが、前作「FACES PLACES」のような「ダーティーな歪み」サウンドではなくどこか浮遊感を感じるサウンドとなっている。
3 Love again

「たくさんの人と情報が交錯するオフィス街」のような華やかさと冷たさを感じるエレクトロポップ。歌詞の内容は「過去の恋愛相手が忘れられずにまたハマってしまった」というもので「じゃれてるだけでも時間がすごく経ってる」というラインは恋愛に盲目的な10代の時によく感じる感情である。
4 YOU ARE THE ONE

サンプリングしたファンキーなシャウトを効果風にループさせているトラックが印象的な曲。小室ファミリーの売れっ子たちが集まりレコーディングされており、様々なアーティストのボーカルが堪能できるボリューム満点の曲となっている。歌詞は恋愛ではなく友情をテーマにしていると思われ「古い付き合いで色々あったけど結局憎めない唯一無二なアイツ」の事を歌っている。
5 Nothing ever makes me happy

「内省的なUKロック」のように「どんよりした曇り空」のフィーリングを感じる曲。歌詞は「部屋で一人様々な思考を巡らせてメランコリックな気分に浸っている」というイメージで主人公の精神状態はあまり良好なものではないが、コロナ渦で「孤独が当たり前になった人」が多く発生した現在では、共感できる人が多い歌詞なのかもしれない。
6 two keys

「5 Nothing ever makes me happy」同様に「どんよりした曇り空」のような雰囲気を感じるエレクトロ・ロック。KEIKOのボーカルは得意のハイトーンを活かしたものとなっている。歌詞は「終わったばかりの恋の断片」を振り返り、メランコリックな気分に浸っているというもの。「カラスが空を染めていく」というラインは絶望的な心境を端的に表現している。
7 I’m bad

オルタナティヴロックからの影響をダイレクトに反映したロックチューン。メインボーカルはマーク・パンサーが担当しており気怠く味のあるボーカルを披露している。
10 Open Wide

「チルアアウト」のようなまったりとした雰囲気があるエレクトロチューン。KEIKOのボーカルには一部ボーカロイド的なエフェクト処理が施されている。
11 Wanderin’ Destiny

「真夜中」のようなディープさとスペーシーな浮遊感を感じるヒットシングル。リズムは力強いインダストリアルビートとなっている。歌詞の内容はタイアップされたシリアスなドラマの内容とリンクしており「年の離れた相手に対して秘めていた恋愛感情独白する」ような内容となっている。永遠の友情と愛情を同時に感じる事は、非常にレアであると思われる。「昔から自分の近くにいた人物に対する思い」をテーマにしているのだろうか?!

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