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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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ヘヴィロックの隆盛を象徴するアーティスト/リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)。シリアスなレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)とは対立関係にある。筆者はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)ファンなので、正直、本作を聴くまでリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)というアーティストにあまり良い印象をもっておらず聴かず嫌いしていたのだが、本作を聴いてポップミュージックとしてヤバイ=「これは売れるだろ」という強烈な納得感を得てしまった。

90年代ヘヴィロック勢はシリアスな表現や音の質感が多く「怒り」「憎しみ」「トラウマ」などが主題であるが、リンプ・ビズキット(Limp Bizkit)の場合、ヘヴィなギターリフこそ鳴ってはいるが曲全体で見たときに圧倒的にキャッチーで、また歌詞に関しても10代の男の子が好きそうな内容であり、フレッド・ダースト(vo)は親しみやすい声質をしている。ギタリスト/ウェス・ボーランドのシアトリカルなビジュアルもヘヴィロック的なシリアスさに対する一種のカウンターになっていると思う。だが反面、彼らはセールス面で成果を上げたが、そのわかりやすさ故に音楽ファンからは過小評価されている感は否めない。

    「要点」

  • ヘヴィロックを良くも悪くもポピュラーにした存在
  • 1人ビジュアル系ギタリスト/ウェス・ボーランド

「曲解説」

2 Just Like This

DJスクラッチとヘヴィでミニマムなリフが絡むイントロからはじまる。その後は「スライム」のようにプニプニと伸縮するような電子音の上をヘヴィなリフが鳴り響き、そこにフレッド・ダーストのキャッチーなボーカルラインが乗る(2:22〜)テンポダウンしてコミカルなサンプリングボイスが挿入される。親しみやすさ満点の曲で悔しいが売れるのはわかる。
3 Nookie

ブルースのレコードをサンプリングしたような渋いトラックと「ディープでヘヴィなリフをフィーチャーしたパート」からなる曲。フレッド・ダースト(vo)の歌声が親しみやすい声質なのもあり他のヘヴィロック勢より圧倒的にキャッチーで聴きやすい。
4 Break Stuff

コーン(Korn)彷彿のヘヴィリフが鳴り響く中、ストリート感があるアグレッシヴなラップが乗る。中間部でスローなテンポになりリフと一緒に「縄跳びの縄の音」のようなミニマムなループが絡みあい徐々にテンポを上げていく、そこに(1:58〜)ヘヴィリフが鳴り響き畳み掛けるようなアグレッシヴなサウンドが最後まで続く。
5 Re-Arranged

スラップベースとクリーンで透明なアルペジオがリフレインされる(2:27〜)少し憂鬱な昼下がりのようなブルージーなフレーズが登場(3:13〜)ヘヴィなギターサウンドが響き渡りヘヴィな展開になってもこの曲のメランコリックな雰囲気は損なわれていない。最後はワープ音のようなDJスクラッチが鳴り響く中、唐突に終わる。
8 Don’t Go Off Wandering

「古いドアがゆっくりと閉まる」ようなSEが流れ、「浅い夢を見ている」ような浮遊感がある曲。時折、夢から目覚めるようなヘヴィなギターリフが炸裂(3:05〜)フレッド・ダースト(vo)の強烈なシャウトが聴ける。終盤はストリングスと浮遊感あるサウンドが絡み合う展開だがそこに唐突なヘヴィリフが現れ空気感をザクザクと切り刻む。 
11 Trust?

「悲鳴」のようなギターノイズとヘヴィリフが絡んだイントロからはじまり、エフェクトがかかった歪んだラップで攻めまくる曲。(1:53〜)アニメのようなコミカルなボーカルをフィチャーした展開に移行するが、この展開は他のヘヴィロック勢では考えられないキャッチーさがある(2:55〜)ヘヴィな展開になり最後の追い込みと言わんばかりにヘヴィリフで攻めまくる。 
13 Show Me What You Got

「お家芸ヘヴィリフと信号のような効果音を絡めたヘヴィなパート」と「メロウなギターフレーズをサンプリングしたエモいトラック」が交互に繰り返される。

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