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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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90年代にリリースされた音楽アルバムの中で間違いなく五指に入る神アルバム。

幾重にも重ねられた轟音ギターサウンドがリスナーに様々なサイケデリックなイメージを想起させ極彩色なサウンドとドリーミーなポップが見事に溶け合った奇跡のような作品。本作がなければ現在の音楽シーンはまた別のものになっていたと断言してもよく「轟音を重ねて複雑なサウンドレイヤーを作り出し幻覚のような雰囲気を醸し出す」この方法論は間違いなく彼らが生み出したものであり後続のアーティストに多大な影響を与え多くのフォロワーを生み出したが、今だに本作を超えるようなサイケデリックなギターロック作品には出会えていない。マイブラが提示した「極彩色なサイケデリック」の探求はこの先エレクトロニカ勢に引き継がれる事になる。

    「要点」

  • 極彩色なサイケデリックサウンド
  • 現代音楽に多大な影響を与えている
  • 90年代のアルバムで5指に入る作品

「曲解説」

1 Only Shallow

強烈にうねる「渦巻き」のようなギターサウンドで幕をあけるオープニングソング。囁くようなビリンダ・ブッチャー(vo , g)のボーカルはうねる「渦巻き」のようなサウンドと対照的でどこまでも限りなく透明。ラスト35秒の幽玄な残響は足を踏み入れてはいけない世界の入り口に立っているかのような不穏さがある。
2 Loomer

「テレビモニターに映した出された砂嵐」のようにざらついた「静かなノイズ」が終始鳴り響き、ノイズの隙間から光をさすようなシンセと時間と共に複雑さを増していくノイズが絡み合いがリスナーから全ての感覚を奪っていく。
4 To Here Knows When

乱反射するピンク色の音のシャワーのようなサウンドで完全にアナザーサイドに足を踏み入れている。目に映るもの全てが揺らめき、狂った輝度の光の中に包まれていくような感覚を味わえる衝撃の1曲。
5 When You Sleep

何重にも重なったギターサウンドが「深海」のような安らぎをもたらしている。ケヴィン・シールズ(vo , g)とビリンダ・ブッチャー(vo , g)の囁くような声は一つに重なりリスナーを眠りの世界へと誘う。
8 Sometimes

全てを包み込むような揺らめく轟音と終焉のようなダウナーさが心地く、「時間の経過と共に表情をかえる静かなノイズ」と「囁く」ようなボーカルラインで淡々と進行する曲。1〜7曲目までの「ピンク色の極彩色サウンド」を聴いたあとにこの「静かにノイズが流れる」だけのこの曲を聴くと頭の中に様々なサイケデリックなイメージが湧き上がる。
10 What You Want

轟音ギターサウンドが疾走す曲なのだが、ギターロックを聴いているという感覚は全くなく「深い森に迷い込んだ」ような静けさと洪水のような溢れ出す光を感じる。

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