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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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シューゲイザーUK代表といっていいライド(Ride)が1990年にリリースした作品。マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)がシューゲイザーの金字塔的アルバム「Loveless」をリリースする前年に本作はリリースされた。

マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)とはまた異なる特徴を持ち、ギターノイズがポストロック的な音響として使われている点が面白く、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)が歪んだ音を重ねて絵画を描いているのだとしたらこのライド(Ride)は「歪んだ音」を記号や暗号のように使い曲に様々な表情を与えるようなイメージであり、ジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)が発明した「ぶっ壊れたノイズギター」を自由度高く曲に反映している。グランジ上陸前夜のUKでこの破壊的な音は相当な衝撃を与えたハズ。

    「要点」

  • シューゲイザーUK代表アーティスト
  • 曲にアクセントを与える音号のようなギターノイズ

「曲解説」

1 Seagull

ツインギターが全く異なるフレーズを弾いているおり、「暴風」のようなノイズギターの裏でミニマムなアルペジオが鳴るというアレンジ。ドラムは手数が多く性急でダイナミックなリズムを刻んでいる。間奏部で聴ける暴風がさらに激化し「暴風雨」と化したノイズギターはジーザス&メリーチェイン (The Jesus and Mary Chain)ばりでメロディーもなく純粋な音響として直線的に鳴り響き続ける。
3 In a Different Place

1〜2曲目の暴風のようなノイズサウンドと打って変わって「和太鼓」のようなリズムと淡々としたアルペジオという構成ではじまる曲。本曲はグランジ的な「静」→「動」のダイナミズムを活かした曲であり「静」のパートで透明感のあるアルペジオを全面に押し出す。このあたりUKバンドらしい。
4 Polar Bear

「ジェット機が通り過ぎた」ような残響が終始リフレインされ、エフェクトを駆使した「揺れる炎」のようなギターサウンドは時間の経過と共に様々な色合に変化する「移り変わる空」を思わせる。本作の中で最も「シューゲイザー」的ば「極彩色サイケデリック」を感じる曲となっている。
5 Dreams Burn Down

ザ・キュアー(The Cure)彷彿の「氷細工」のようなアルペジオが淡々と鳴り響く中、時折現れる「頭のネジが完全に飛んでいる」かのように絶叫するノイズギターが氷の世界を切り裂く。ただこれを繰り返すだけなのだが、それがただただ気持ちいいという曲。

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