検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

透明感溢れるakkoの歌声を全面に押し出した良質なポップソングが多数収録されているマイ・リトル・ラバー(My Little Lover) のデビューアルバム。

UKギターポップや北欧のメルヘンなポップミュージックのようなメロウネスがサウンドの特徴であり、ボーカルラインは「流れるようなメロディー」は少なめで割と淡々としたラインが多いのだが「稀に見る透明感」をもつakkoの歌声と奇跡の相性をみせ圧倒的にポップに鳴り響く。「5 Hello, Again 〜昔からある場所〜」のシリアスな歌詞をakko以外のボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「暗さ」「重さ」が強調された曲となると思われる。この「他のボーカリストが歌った場合、そこまで売れないのでは?!感」はスピッツ(SPITZ)草野マサムネに通じるところがある。

    「要点」

  • ・稀に見る透明感をもつakkoの歌声
  • ・「5 Hello, Again 〜昔からある場所〜」をakko以外のボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「暗く重たい」曲となるはず

「曲解説」

1 Magic Time

「すべてがブルーに統一された部屋」のような冷たさと「どこまでも広がる草原」のような雄大さが同居しているオープニングソングでタイトル通りにakko(vo)が「チクタク、チクタク」と時を刻む。
2 Free

早足のカッティングギターと北欧の吹奏楽器が奏でる牧歌的な音色が印象的なメロウなポップソング。歌詞の内容は「自由とは一体なんなだろう?!」という「パズルで迷路な問いかけ」をJ-POP的にアレンジしたようなイメージである
3 白いカイト (Album Version)

ドリーミーな浮遊感と「賑わう街角」のような華やかさが同居している曲でボーカルラインは派手なものではないが、akko(vo)の「透明感の塊」のような声と最高の相性をみせ一度聴くと頭にメロディーがインプットされる。「白いカイト」というワードから「地球と話」「宇宙とダンス」などのイメジネーション溢れるフレーズがサラッと閃く小林武史のセンスは秀逸としか言いようがない
5 Hello, Again 〜昔からある場所〜

スピッツ(SPITZ)の名曲「ロビンソン」と並ぶ90年代ギターポップの神曲。歌詞は「10代特有の重い恋愛感情」をテーマにしたシリアスなものとなっている。この暗く重い歌詞とakko(vo)の透明な歌声が抜群の相性をみせ奇跡のポップネスを得ている。この曲を男性ボーカリストが歌った場合、良くも悪くも「沈むような暗さ」が強調された曲となるだろう。
6 My Painting

「不思議の国」のようなメルヘンを感じる可愛いポップソング。サウンドは「歪んだギターサウンドの断片」と「優雅なストリング」を中心にシンプルに纏められている。
7 暮れゆく街で

「夏の星座」のような美しい旋律が「深夜の海」のような暗闇の中で輝くバラード。リズムアプローチは「鼓動」のように規則正しいものとなっている。歌詞はakko(vo)が担当しており過去の切ない恋愛経験を「独白」のようにシリアスに淡々と歌い上げる。
9 Man & Woman

華やかなホーンセクションをフィチャーしたポップソング。「気持ちは言葉だけでは伝わらないから積極的になれ」とリスナーに提案する歌詞はど直球ではあるが、そこに暑苦しさはなくむしろ軽やかに響く。
10 evergreen

akko(vo)の透明な声を最大限活かしたジャジーな曲でピアノの音色は「しっとり降り注ぐ雨」のようだ。終盤は「原始の宴」のようなイメージのようなコーラスが曲に異国感を与える。

このレビュー記事をSNSでシェア