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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果27件

タグ「V系」のレビュー

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。

前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっている。

歌詞の内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

音楽的な充実を一気に放出した「94年〜96年の絶頂期」を経て翌年97年に彼等は1年間のソロ活動を行ったが、97年には彼等の音楽性や美意識に多大な影響を受けたと思われるアーティスト達が大量に発生し「ビジュアル系」というワードが「お茶の間レベル」にも広がりを見せた。

下世話な話だがこの「ビジネス的に最も良い時期」に活動休止する彼等のスタンスはやはり「孤高」である。

    「要点」

  • ・「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形。
  • ・歌詞に内容は一言で言うと「愛」をテーマにしたものが大多数を占めているが、彼等らしくどこか「狂気的」である。

「曲解説」

1 WITH LOVE

レコードに針を落とす音から始まるオープニングチューン。揺らめく気怠い音響が「ディープな静けさ」を演出しており、このような実験的な曲をアルバムの1曲目に収録できる点に当時の彼等の自信と充実ぶりを感じる。歌詞はこの時期の彼等らしく「狂おしい愛」をテーマにしており「この愛が冷めてしまうのでは?!」という強迫観念に追われている男の心情を歌っている。曲の中盤で聴く事ができるSUGIZO(g)のアバンギャルドノイズは「ポップミュージックの体裁」に反発するかのような暴れっぷりである。
2 G

「バーンと何かが弾け飛ぶ」ようなギターフレーズで幕をあけるハードチューン。90年代以降のUSグランジ/オルタナのダイナミズムをダイレクトに反映しているサウンドとなっており、コアなルナシー(LUNA SEA)ファンであればイントロから20秒もあれば「作曲者」が誰か分かってしまうだろう。ハードで低音が強調されたサウンドではあるが、エフェクティヴで空間構築に徹するツインギターは相変わらず左右でバラバラのフレーズを弾いる。タイトルの「G」とは「God」の「G」であり、初期の歌詞に登場した「神」をモダンに洗練させた形で表現している。
3 HURT

ルナシー(LUNA SEA)らしからぬヘヴィリフを前面に押し出したハードチューン。一聴する分には非常にシンプルな構造となっているが、J(b)のベースラインにはマニアックな空間系エフェクトが掛けられており、サウンドに「宇宙的な無重力感」を与えている。
4 RA-SE-N

「独白」のような歌詞の内容に思わず「ハッ」とさせられるスローテンポの名曲。「静かで淡々とした展開」から「一気に熱量を放出する展開」に移行する曲なのだが、海外のハード系アーティストの「それ」とは明らかに異なる空気感があり「繊細な緊張感」が常に保たれている。この曲のギタープレイは宇宙的なサウンドを求めるSUGIZO(g)にとって、一つの理想形い言えるものとなっており特に「ディープな感情を解き放つ」ような短いギターソロは抜群のクオリティを誇る。
6 FOREVER & EVER

90年代に最も評価されたギターロックアーティストの一つであるレディオヘッド(radiohead)のエモーショナルな名曲と比較しても全く負けていない10分超えの大作。「ゆったりと流れる大河」のような雰囲気がある曲で歌詞の内容は「今までの自分達とこれから羽ばたこうとする自分たち」についてであり曲の途中でJ(b)による「英語の語りパート」が挿入される。「語りパート」の和訳は「あの頃に感じた永遠と希望を思い出そう、時間の経過と努力は僕を確かに変えたが熱いアティテュードはあの頃と変わらない。そして人生はこれからも続く。あの頃感じた永遠をずっと感じていたい」このようなイメージの内容となっている。落ち込んでいる時や迷っている時に聴きたくなるこの「語りパート」だけでも非常に価値があると筆者は思う。
7 1999

INORAN(g)のアルペジオがミステリアスな存在感を放つ2分弱の曲でSUGIZO(g)とJ(b)のベースラインがユニゾンしており、なんとも言えない不穏な空気感を演出している。「ディープでシリアスなアルバムの前半」から「爆発するアルバムの後半」にスムーズに繋げるような「橋渡し」的な立ち位置の曲となっている。
10 IN SILENCE

「万華鏡」のような幻想的なディレイサウンドが素晴らしく、海に佇み「過去の切ない恋愛を回顧する」ような歌詞を歌う RYUICHI(vo)のボーカルラインと複雑に絡まる。ディレイを上手く活かしたお手本のような曲である。「真っ白な羽が空浮かんでた、何かを告げるように」というラインは文学的でこの後に起こる「活動休止」を示唆していると思われる。
11 SELVES

「終幕感を演出する鐘の音」「神経質で冷たいリズム」などトリップホップからの影響を感じるディープなラストチューンで 完璧主義のSUGIZO(g)をして「理想に近い」(wiki)と言わしめる完成度を誇る。歌詞は相当読み込んで考察しないと正しい意味を解釈できそうにない「非常に深く宇宙的な内容」となっている。

ルナシー(LUNA SEA)絶頂期の96年にリリースされた傑作アルバムで「日本における二ューウェイブ系ギターロックの独自進化」の一旦の完成形という内容となっている。 前作「MOTHER」との違いは90年代以降に彼等がインスピレーションを受けたであろう「グランジ」「トリップホップ」「シューゲイザー」「実験的な電子音楽」などからの影響を大胆に反映させ点であり、サウンド・歌詞共に「ディープ」な内容となっ

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「1 ROSIER」
ルナシー(LUNA SEA)のキャリアの中で「明確なターニングポイント」となった曲であり、これまでのルナシー(LUNA SEA)サウンドにはない「モダンなエッジ」は異色作と言っても過言ではないと思う。またこの曲はベーシストのJが「遺書」として作り上げた力作である事でも有名である。

筆者は作曲者であるJ(b)のソロアルバムも聴いた事があるが「ジャンル分けが困難であるレベルにストレートでアグレッシヴなサウンド」であるという印象をもった。おそらくROSIERも原曲の段階では「ど直球なハイエナジーロック」なのだと思われるが、そのハイエナジーロックを一癖も二癖もあるメンバー達でジャムりながらアレンジしたところ「宇宙的な開放感・浮遊感が伴うこれまで聴いた事がないスペシャルなロックチューン」となったのであろう。

サビの歌詞に出てくる「揺れて揺れて」というラインは、多感な小中高生男子のハートを一発でキャッチする神ラインである。人生の中でも最も「揺れる」のは間違いなくティーンエイジャーであるのだから当然といえば当然であろう。本作のロングヒットによりルナシー(LUNA SEA)は「ネクストブレイクの候補の一つ」から「10代に最も支持される異端なロックアーティスト」に変貌を遂げ翌95年には東京ドーム制覇まで成し遂げている。

彼等はこの勢いのまま、ロックアーティストとしてクリエイティヴの絶頂期を迎えていく事となる。既存ファンに支持され「世間に迎合する事なくナチュラルな形で膨大な新規ファンベースの開拓」に成功できた本作は「ロックアーティス」として理想的な売れ方であると筆者は思う。

「2 RAIN」
「気怠い雨雲」を思わせる音響がメランコリックな雰囲気を醸し出す隠れた名バラード。

「何と言えない混沌としたコード進行」を中心に展開され、RYUICHI(vo)のボーカルはサビ以外「地を這う」ような低音となっている。(2:38〜)「強烈なモザイクをクルクルとかき混ぜた」ようなSUGIZO(g)のノイズプレイが登場。94年の日本の音楽シーンでこのサウンドは斬新を超えた響きがある。

歌詞の内容は「くちずけた後に全てを忘れてしまうだろう」と思える程の「強烈な片思い」を連想させるものとなっており、これまでのバラードとは異なり筆者のような一般人にも情景が浮かぶ言葉がチョイスされている。

    「要点」

  • ・「1 ROSIER」・・・これまでのルナシー(LUNA SEA)サウンドにはない「モダンなエッジ」は異色作と言っても過言ではないと思う。
  • ・「2 RAIN」・・・これまでのバラードとは異なり筆者のような一般人にも情景が浮かぶ言葉がチョイスされている。

「1 ROSIER」 ルナシー(LUNA SEA)のキャリアの中で「明確なターニングポイント」となった曲であり、これまでのルナシー(LUNA SEA)サウンドにはない「モダンなエッジ」は異色作と言っても過言ではないと思う。またこの曲はベーシストのJが「遺書」として作り上げた力作である事でも有名である。 筆者は作曲者であるJ(b)のソロアルバムも聴いた事があるが「ジャンル分けが困難であるレベルにスト

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暗黒世界のような雰囲気を醸し出していた尖ったメジャー1stアルバム「IMAGE」から1年後にリリースされたメジャー2ndアルバム。前作とは正反対と言っていい「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風となっている。

本作はメンバー・ファンの中でも非常に賛否両論が巻き起こったアルバムではあるのだが、現在の感覚で聴いても「抜群に音が良い」アルバムである事は間違いなくルナシー(LUNA SEA)の「耽美」「ミステリアス」な魅力を余す事なくパッケージングしている。

メジャー1stアルバム「IMAGE」のビジネス的な苦戦から(「IMAGE」は10万枚のセールスをマークしており新人アーティストとしては明らかに良いセールスを記録しているのだが「XJAPANの弟分的な存在」である彼等としては「物足りないセールス」とレコード会社は判断するであろう。)おそらくではあるがレコード会社から「ポップな作風」を求められたと思われるが、レコード会社のいう事を「はい、分かりました」と素直に従うようなアーティストではない。「ポップな作風」を求められ「このノーマルな感覚から良い意味でズレた異形のポップネス」を提案するあたりに彼等のストイックなまでの拘りと尖ったプライドを感じる。

本作がなければ活動休止(96年)までのルナシー(LUNA SEA)サウンドはまた別のものとなっていたと断言できる。そう、ルナシー(LUNA SEA)はどんなにハード、ヘヴィな曲をやってもそこに「耽美性」「神聖さ」が伴うからこそオンリーワンなアーティストであるからだ。

    「要点」

  • ・「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風
  • ・「ポップな作風」を求められ「このノーマルな感覚から良い意味でズレた異形のポップネス」を提案するあたりに彼等のストイックなまでの拘りと尖ったプライドを感じる。

「曲解説」

1 JESUS

「サイバーなグランジ」のようなリフが印象的なオープニングチューン。ソロ活動以降(1998年)〜終幕(2000年)にかけて彼等が頻繁に口にした「輝」というワードをはじめて歌詞に盛り込んでおり「暗黒世界」のような雰囲気を醸し出していたメジャーデビューアルバム「IMAGE」とは正反対の「透明で耽美的」な音響を前面に押し出している。歌詞は「何の為に生まれてきたのか?」という ダークな気持ちを抱えている主人公が「罪が消えて解き放たれる事ができるなら輝きたい」と願うという内容になっている。
3 Rejuvenescence

「シンプルな英語のワンワード」をタイトルにする事が多い彼等の曲の中で「難解な響きを持つタイトル」の耽美でセンチメンタルな名曲。「氷の世界のような音響」が曲の進行と共に「春の訪れのような暖かい音響」に少しづつ変化していくようなイメージの曲である。人気youtuber/たむたむ氏もカバーしている事からも分かる様にコアファンから絶大な人気を誇る。
4 RECALL

「妖精の国」ようなメルヘンを感じる透明なバラード。「現実と空想の境目がゴチャゴチャになった」ような恋愛感情を歌っている歌詞は非常に文学的である。「四次元の夢」という難解なワードも登場する。
5 ANUBIS

ドラムンベース風のリズムの上をSUGIZO(g)の耽美なカッティングフレーズが舞い踊り、近未来的でエロティックな雰囲気をもつアップテンポな曲。この曲のギターフレーズは布袋寅泰からの影響を感じるものでありルナシー(LUNA SEA)の曲の中で最もボウイ(BOOWY)的であると言える。歌詞の内容な「空想の中の空想」というイメージでぶっ壊れたものとなっている。
6 LASTLY

「戻れないあの日」のようなJ(b)のメロディックなベースラインがインパクト大の物悲しいバラード。歌詞の内容は「分かり合えていた人物の死」を連想させるものとなっており「あの頃に帰りたい」と切望するという内容である。「左回りの時計」というフレーズも登場するが、よくよく考えてみるとルナシー(LUNA SEA)の曲では「時」や「時計」に関する歌詞(壊れた砂時計/時の調べ追わず)や「時計の針」を思わせるサウンドが多く登場する気がする。時が経ち、RYUICHI(vo)が「時計」にハマったのは必然なのかもしれない。
7 IN MY DREAM (WITH SHIVER)

「飛ぶことさえ許されず明日も見えない」どん詰まり状態を言語化した歌詞が切なすぎる2ndシングルなのだが、曲を通して開放的な空気感を感じる事ができる。この曲の歌詞では久しぶりに「女神」が登場。筆者の記憶では「女神」の登場はインディーズ時代のハードコアチューン「CHESS」以来である。
9 LAMENTABLE

弦楽器隊3人がそれぞれの特徴を盛り込んだフレーズを聴かせてくれるアッパーチューン。「恋も夢も知らずにバーチャルな世界で生まれ死にいく主人公に対して「その世界から抜け出して現実を生きろ」と訴える曲。この曲の歌詞は発売当時の93年より現在の若い世代に響くと思われる。
11 STAY

「全てのリスナーに花束を届ける」ようなラストチューンでシンプルなビートが強調された耽美なギターロックチューンとなっている。歌詞の内容は「幻想的かつ耽美で練られた」印象が強い他の収録曲とは一線を画す内容となっており「この想いは何も変わっていない」と高らかに宣言するという内容である。

暗黒世界のような雰囲気を醸し出していた尖ったメジャー1stアルバム「IMAGE」から1年後にリリースされたメジャー2ndアルバム。前作とは正反対と言っていい「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風となっている。 本作はメンバー・ファンの中でも非常に賛否両論が巻き起こったアルバムではあるのだが、現在の感覚で聴いても「抜群に音が良い」アルバムである事は間違いなくルナシー(LUNA SEA)の「耽美」「

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陰鬱でダークなサウンドと「狂気的・シュール」という形容がよく似合うぶっ飛んだ歌詞を前面に押し出しているルナシー(LUNA SEA) のメジャーデビューアルバム。

「活動するフィールドがインディーズからメジャーに変わっても自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。正直、万人受けするような内容でないが「ダークでインパクトのある音楽」を求めているリスナーには是非おすすめしたい「V系アルバム」となっている。

本作はインディーズ時代の神作「LUNASEA」と比べるとやや劣るが「歪み」と「クリーン」で役割を完全に分けているSUGIZOとINORANのツインギターが幻想的な空間を構築しておりルナシー(LUNA SEA)独自としか言いようのないサウンドを聴かせてくれる。

本作の最後に収録されている「12 WISH」の「虹」のようなカラフルな光は本作の中で異彩を放っており「こういうキャッチーでカッコいい曲も書こうと思えば書けるんだよ」とメジャーシーンを挑発するかのような存在感がある。

    「要点」

  • ・自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。
  • ・「ダークでインパクトのある音楽」を求めているリスナーには是非おすすめしたい「V系アルバム」となっている。

「曲解説」

2 Déjàvu

「ミステリアスな迷路」のような質感のV系クラシックで「地を這う」ようなJ(b)のベースラインが圧倒的な存在感を放っている。歌詞は「未来」→「過去」→「現在」というフレーズをうまくタイトルである「Déjàvu=既視感」と結びつけており遊び心がある。Déjàvu的に考えると「未来」は「過去」であり「過去」は「未来」でもある。
3 MECHANICAL DANCE

ビートロックをルナシー(LUNA SEA)なりに解釈したようなロックチューン。シンプルなビートと淡々と刻まれるベースラインが曲に疾走感を与えている。歌詞はぶっ飛んだ内容で「後ろから目隠しをされている事すら知らずに生かされている現代」をテーマにしていると思われる。おそらくではあるが人間に目隠しをしているのはルナシー(LUNA SEA)の初期の歌詞に頻出する「神」の仕業であろう。
4 WALL

アンビエントな残響ギターサウンドが心地よい「真っ白」なイメージの曲でSUGIZO(g , v)が奏でるバイオリンが幻想的な雰囲気を醸し出している。淡々とした曲でRYUICHI(vo)のボーカルラインも「あまり波が立たない昼間の海」のようであり、サビのメロディーも非常にゆったりとしている。歌詞は「喪失感」をテーマにしていると思われる。
5 Image

神秘的な雰囲気が濃厚な隠れた名バラードで「淡々と時を刻む」ようなギターの調べが曲に不思議な静けさを与えている。サビのボーカルラインは「神秘的なお経」のようであり「image or real」というフレーズを連呼するシュールなものであるが、低音が強調されたRYUICHI(vo)のボーカルが曲の雰囲気に見事にマッチしている。筆者の個人的な意見ではあるが、RYUICHI(vo)は低音をある程度意識したほうが声の良さが引き立つと思う。歌詞に登場する「愛エナジー」「夢エナジー」なるフレーズは正直、凡人には到底理解不能なラインである。
6 SEARCH FOR REASON

「アンビエントなクリーンサウンド」と「狂気的な歪みサウンド」が一つに溶け合い幻想的かつ、おどろおどろしい雰囲気を醸し出しているヘヴィーチューン(4:13〜)今では考えられないルナティックなRYUICHI(vo)のシャウトが炸裂。サビのボーカルラインは「駆け上がる前半」と「崩れ落ちる後半」に分ける事できる珍しいパターンである。サビの歌詞に「夢の中まで仮の心」なる陰鬱なラインをもってくるセンスには脱帽である。
7 IMITATION

軽快なギターフレーズを中心に展開されるノリの良いサウンドと「嘘で固められた表面的な人間関係」をテーマにしている歌詞のギャップが面白いシュールな曲。
11 MOON

後続のV系アーティストに多大すぎる影響を与えたV系クラシックな名バラード。この曲で聴く事ができるSUGIZO(g , v)のギタープレイは、ディレイを上手く活用した名フレーズである。「衝動的で尖った」インディーズバージョンと比較すると音にコクがあり「深い霧」のような音響が印象的である。歌詞の内容は「河村隆一のラブソングをV系的にシュールにアレンジした」ような文学的で素晴らしい内容となっている。
12 WISH

陰鬱で狂気的じみていて非常にダークであるメジャーデビューアルバムのラストを飾るルナシー(LUNA SEA)屈指の名ポップチューン。「1曲全てがサビのような曲を作りたい」(wiki)というテーマで作成された曲であり、曲全体から「虹」のようなカラフルな光を感じる事ができる。「明日さえ怖がる陰鬱な気持ちを抱えつつも光を求めて力強く歩き出した」ような歌詞は、他の収録曲にはない質感であり「救われたような」気持ちになる。「永遠を欲しがっても刹那を感じている」のラインは神ラインであり「些細な事で感情が揺れ動く十代の心情」を端的にそして詩的に言い表している。

陰鬱でダークなサウンドと「狂気的・シュール」という形容がよく似合うぶっ飛んだ歌詞を前面に押し出しているルナシー(LUNA SEA) のメジャーデビューアルバム。 「活動するフィールドがインディーズからメジャーに変わっても自分たちのスタンスは一切変わらないし音楽的に妥協なんてするもんか!」という「彼らの尖った主張」がヒシヒシと伝わってくる。正直、万人受けするような内容でないが「ダークでインパクトのあ

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「1 END OF SORROW」
「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。

アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れるアレンジがルナシー(LUNA SEA)らしく、多くのロックバンドにはない耽美性を感じさせる。

この曲は「緩急」をつけてダイナミズムを強調しているサウンドなのだが、やはり多くのUK・USギターロック・アーティストとはどこかニュアンスが違う「圧倒的な独自性」がある。ちなみにUK・USギターロック・アーティストの「緩急」は良くも悪くも「静」→「動」の変化が分かりやすいアレンジが多いのだが、ルナシー(LUNA SEA)の場合、日本人らしく「僅かな変化」で曲にダイナミズムを持たせている。

「2 TWICE」
SUGIZO(g)の前衛的なノイズギターとINORAN(g)のアンビエントな質感のアルペジオの対比が美しい浮遊感溢れるギターロックでルナシー(LUNA SEA)のバラードの中でも指折りの名曲であると思われる。

この曲がもつサイケな浮遊感はSUGIZOがフェイバリットに挙げる孤高のアーティスト・マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(My Bloody Valentine)を彷彿とさせる。(3:35〜)「全ての感情をグチャグチャにする」ような強烈なノイズギターが吹き荒れる。このノイジーな質感のフレージングにおいても「確かなメロディー」を感じさせるSUGIZO(g)のセンスには恐れ入る。

歌詞は「封印していた思春期の恋愛感情を回顧する」ような内容となっており「黙って見ているだけでよかった」という歌詞は思春期男子の繊細な心情をズバリ言い表している。また「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

    「要点」

  • ・「1 END OF SORROW」・・・「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が 複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。
  • ・「2 TWICE」・・・「シネマみたいな空」「悲しいほどの青空」などの比喩も冴え渡っている。

「1 END OF SORROW」 「涙を知るセピア色の思い出」「悲しみを知り心からの愛を知る」「何故生まれてきたのか自分のこと愛し始める」などのナルシスティックなラインがなんとも印象的で「強烈なナルシズム」と「愛しい君への狂おしい愛情」が複雑に「タペストリー」のように絡み合った歌詞が秀逸なヒットシングル。 アップテンポで疾走感溢れるロックチューンではあるが、終始「真冬の夜空」を思わせる浮遊感溢れ

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