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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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メジャーレーベルから初めてリリースされたバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)の3rdアルバム。インディーズ時代に提示したバンプの世界観を「よりポップにそしてディープに進化させた」内容となっており、代表曲「2 天体観測」を筆頭に今作でも藤原基央(vo)特有のストーリー仕立ての歌詞の世界が珠玉の輝きを放っている。

自分自身の信念を「揺れる白い花」と形容し文学的に表現している「5 ハルジオン」古くからの親友に対して迷った時や悩んだ時こそ「あのメロディーを思い出そう」とエモーショナルに歌い上げる「7 メロディーフラッグ」などは「2 天体観測」に負けず劣らずのクオリティーで名曲である。

他のアーティスト・バンドが避けそうな「一歩間違えばクサくなる熱いメッセージ」をごく自然な佇まいで嫌味なく表現できる点がバンプ・オブ・チキン(BUMP OF CHICKEN)の最大の個性であると思う。

    「要点」

  • ・インディーズ時代に提示したバンプの世界観を「よりポップにそしてディープに進化させた」内容。
  • ・古くからの親友に対して迷った時や悩んだ時こそ「あのメロディーを思い出そう」とエモーショナルに歌い上げる「7 メロディーフラッグ」などは「2 天体観測」に負けず劣らずのクオリティー。

「曲解説」

1 Stage of the ground

ビビッドで直線的なアルペジオをループさせて、これまでのバンプにはない「ソリッドな質感」を感じるオープニングチューン。歌詞は「人間としての正しい姿」をテーマにしていると思われ「誰でも迷いもするし間違えもする」だが「それでも人は歩んでいくものだ!」と力強く宣言する。
3 Title of mine

内省的で叙情的なUKロック・アーティストであるコールドプレイ(Coldplay)を彷彿とさせる「繊細なアルペジオ」と「力強くシンプルなオクターブ奏法」が印象的なギターロック。ギターソロは「感情を解き放つよう」にエモーショナルである。同世代の日本のギターロック・アーティストの多くが「負の感情を美しく響かせる歌詞」や「意味性を拒絶するような歌詞」etcなどを好む中、変に斜に構えずこの曲でも自然体に「人に触れていたい」と力強く歌っている。
4 キャッチボール

「日常の出来事や感情を音楽化している」これぞバンプという曲。インディーズ時代の曲にもスラッガーの心情を歌った「ノーヒットノーラン」という曲が存在するので「バンプのメンバーは元野球部なのか?!」とググってみたら残念!元バスケ部だった。
5 ハルジオン

名曲「2 天体観測」にも負けないクオリティーを誇る疾走系ギターロックチューン(2:22〜)ギターソロはシューゲイザーの代表格であるライド(Ride)を彷彿とさせるノイジーなものとなっている。歌詞は非常に深く考えさせられる内容で「揺れる白い花=自身の信念」と表現しており「生きていく意味」や「自分の価値を忘れそうになった」時に自分を助けてくれるのは自分の中にある「揺れる白い花=信念」であると言うことだろう。
7 メロディーフラッグ

「独白」のような緊張感の中、大きく揺れるメロディーに乗せて「あのメロディーを思い出そう」と歌うエモーショナルなアコースティックバラード。歌詞は親友に送ったものであり(wiki)「生きれば生きるほど迷路化していく 人生」に悩んだり迷ったりした時こそ自分たちの中にある「大事な何か」を忘れてはいけないという事を歌っていると思われる。それにしても素晴らしい歌詞だ。

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