検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

投稿詳細ページ

代表作「Ok Computer」の翌年にリリースされたシングルであり「ギターロック」というフォーマットだけでは表現欲求が満たされなくなっていた彼らが「何にも縛られず」に純粋にやりたい事をやっている良質な3曲が収録されている。

「2 Palo Alto」はアルバム「The Bends」「Ok Computer」どちらに収録されていても「良い意味で浮く曲」となっておりレディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも「有数に異色作」であると言える。反面「3 How I Made My Millions」は2000年にリリースされたアルバム「Amnesiac」に収録されていても不思議ではないノスタルジックで哀愁漂うピアノバラードである。

「1 No Surprises」で「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」と歌った彼らは、今後「狂騒のUKロックシーン」とは距離を置くようになり、これまで以上に純粋に「ロックアーティスト」として前衛的な音楽からの影響を自らのサウンドに大胆に反映させていく事となる。

    「要点」

  • ・「1 No Surprises」・・・「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」とトム・ヨーク(vo)が「悟りを開いた老人」のように静かに歌い上げる名バラード
  • ・「2 Palo Alto」・・・アルバム「The Bends」「Ok Computer」どちらに収録されていても良い意味で浮く曲。レディオヘッド(Radiohead)の曲の中でも有数の異色作

「曲解説」

1 No Surprises

「サプライズはいらない、ただ静かな生活がしたい」とトム・ヨーク(vo)が「悟りを開いた老人」のように静かに歌い上げる名バラード。 サウンドは極めてシンプルで「夢の中で行われる静かなクリスマスパーティー」のようであり、ギターサウンドは「ハンドベル」のようなキラキラした音響を奏でる。この曲は「偏執的なエモーショナル」で溢れた傑作アルバム「Ok Computer」の中でリスナーに最も「安堵感」を与える曲となっている。
2 Palo Alto

スペーシーな音響とローファイな質感がどことなく「Ladies and Gentlemen We Are Floating in Space(宇宙遊泳)/スピリチュアライズド(Spiritualized)1997年」を彷彿とさせる歪みロックチューン。宇宙空間で「初期のレディへ流グランジ」を鳴らしたようなイメージの曲となっている。
3 How I Made My Millions

宇宙的な静けさの中で美しいピアノの旋律とトム・ヨーク(vo)のボーカルだけが「輝く惑星」のように響き渡るバラード。歌詞の内容はリスナーのイマジネーションを刺激するものであり「かつてはイケていたが今は落ちぶれてしまった男が自分に対する自信のなさから恋人に対して「終わりにしよう」と提案する」という内容であると思われる。

このレビュー記事をSNSでシェア