検索画面を消す
検索画面を消す
live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト
検索結果75件

カテゴリー「良作」のレビュー

「1 JUST ONE MORE KISS」
「UK耽美なニューウェイブをビートロック化させた」ようなヒットシングル。「チープなトリック」のような今井寿(g)のギターサウンドはデビュー当時から異彩を放っており、ギターソロも当時のメジャーシーンではシュールに聴こえたであろうコミカルな質感なサウンドとなっている。

「美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現した」歌詞は、櫻井敦司以外の人物が書く事が許されない類のものであり「天使のざわめき」「悪魔のささやき」とは下心で揺れる男心を表現していると思われる。

同郷の先輩BOOWYが解散した88年にリリースされたこのシングルは、後に続くV系アーティスト達に多大な影響を与える事となった。

「2 TO SEARCH」
ギクシャクしたビートと刻まれる空間系ギターサウンドという初期バクチク(BUCK-TICK)のカッコいい部分がギュッと詰まったぶっ壊れたパンクチューン。歌詞は「色んな解釈が可能な内容」となっているが、とにかく悪(ワル)である事である事は間違いないであろう。

(3:00〜)「発狂」のような櫻井敦司のシャウトの後に今井寿(g)のギターソロが登場。アバンギャルドで一歩間違えればメチャクチャなものなのだが、不思議な音程のメロディーを感じる。(4:20〜) 悪ふざけとしか思えないような狂ったシャウトが炸裂。

A面がキャッチーであったとは言えメジャーデビューシングルのB面に「このぶっ壊れた曲」を収録するあたりにバクチク(BUCK-TICK)というアーティスト名に負けず劣らずな「ぶっ壊れたセンス」を感じる。

    「要点」

  • ・ 「1 JUST ONE MORE KISS」・・・美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現。
  • ・「2 TO SEARCH」・・・歌詞は「色んな解釈が可能な内容」となっているがとにかく悪(ワル)である事である事は間違いないであろう。

「1 JUST ONE MORE KISS」 「UK耽美なニューウェイブをビートロック化させた」ようなヒットシングル。「チープなトリック」のような今井寿(g)のギターサウンドはデビュー当時から異彩を放っており、ギターソロも当時のメジャーシーンではシュールに聴こえたであろうコミカルな質感なサウンドとなっている。 「美貌をもつあなたに対する叶わぬ恋をゴージャスでナルシスティックなワードで表現した」歌詞

READ MORE

「1 TONIGHT」
極限までシンプルにそぎ落とされたギターリフは「これまでのルナシー(LUNA SEA)」にはないタイプのもの。「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。

歌詞は「乾き切る前にとにかく動け!」とリスナーに行動を促すものであり、繰り返し歌われる「君だけの」というフレーズは、「何もない俺たちでもこうやって成功できたんだから君たちにもできる」と繊細なティーンエイジャーの背中を押す。この曲に登場する「キミ」とは自分たちを支持してくれた10代であり、またかつてのJ(b)自身のなのであろう。

J(b)は「この曲聴いて何も感じなかったらそれでいいや」と語っている(wiki)事から自身が作曲した神曲「ROSIER」同様に自身のキャリアの中でも「特別な曲」として大事にしているのであろう。

この曲で聴く事ができるRYUICHI(vo)のボーカルは非常にパワフルで曲のダイナミズムを引き出している。ソロ活動以前のRYUICHI(vo)が歌えばおそらく違和感が半端ないであろう。

ボーカルの事に関して筆者は専門的な事はよく分からないが、テクニックでは超える事ができない「ある種の壁」を超える為に彼はソロ活動以降、劇的に歌唱法に変化させたのではないだろうか?!そんな気がする。

「2 be gone」
「初期のダークチューンをモダンにアップデートした」ようなミドルテンポの曲で「醜い毒」「病んでいる」など「昔のRYUICHI」がチョイスしそうなワードも登場する。SUGIZO(g)のギターはサビ裏で「歪な乱反射」のようなフレーズを奏でている(3:40〜)突如、SUGIZO(g)とINORAN(g)による即興ラテン調のアコースティックパートが始まる。SUGIZO(g)が奏でる旋律は非常に美しくそしてテクニカルである。

    「要点」

  • ・「1 TONIGHT」・・・「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ、 「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。
  • ・「2 be gone」・・・「醜い毒」「病んでいる」など「昔のRYUICHI」がチョイスしそうなワードも登場する。

「1 TONIGHT」 極限までシンプルにそぎ落とされたギターリフは「これまでのルナシー(LUNA SEA)」にはないタイプのもの。「はじめてギターやベースに触れたあの日」のような「初期衝動」をテーマにして作られたサウンドであると思われ「ルナシー(LUNA SEA)的様式美」を完全に破壊している。 歌詞は「乾き切る前にとにかく動け!」とリスナーに行動を促すものであり、繰り返し歌われる「君だけの」と

READ MORE

ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。

97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの難しい作品」となってしまった。サウンド的にはこれまでのアルバムとは異なる「アナログでコクのある音」が印象的で、空間的で浮遊感のあるサウンドをフィチャーしたアルバム「EDEN」同様に「音楽的に過渡期的な作品」となっている。

「自分たちに影響を受けているであろうアーティストの台頭」(ビジュアル系なるワードがお茶の間レベルで浸透したのもこの頃だった) や「5人5様であったソロ活動」の後というビジネス的に最もデリケートなタイミングにリリースされた本作もまた、これまで同様にアーティストエゴを剥き出している。

本作はベースJが作曲したと思われるシンプルでパワフルなサウンドが多くみられる。インディーズ時代からルナシー(LUNA SEA)は作曲者が誰であれ、メンバー全員で「あ〜でもない、こ〜でもない」と意見を出し、ジャムりながら音を作り上げる事で有名なアーティストなのだが、個人的に今作は「あまりジャムってる感」を感じないのである。これは「作曲者のキャラを立たせてみよう」というあえての試みなのか?!それとも「多忙の極みによる時間不足」の問題なのであろうか?!非常に気になる。

90年代に多くのギターキッズを魅了した「ダークで耽美なサウンド」が減退し「ロックらしいロックテイスト」がこれまでより強く反映されている本作は、これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いをチャレンジしているとも感じている。

「常に変化し続けなければならない」という強迫観念は彼らのクリエイティヴィティーの源なのだろう。また本作のリリース前後からメンバー全員が「輝く」というワードを頻繁に使い出しバンド内の共通認識ワードとしていた。「売れたい」「もっとビッグになりたい」などという下世話な言葉は彼らには似合わない。自分たちの究極目的を深く突きつめたところ導き出された言葉が「輝く」なのであろう。

    「要点」

  • ・結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」と「河村隆一ファン」の両者にとってリアクションの難しい作品。
  • ・これまでの作品と比べるとやや「独自性が薄れている」と筆者は感じるのだが、同時に「これまでの自分たちの殻を壊す」という最も難易度の高いチャレンジしているとも感じている。

「曲解説」

1 Time Has Come

「これから起こる輝きに満ちたストーリーを予感させる」ようなオープニングチューン。これまでエフェクトを多用して幻想的・耽美的という形容がよく似合うサウンドを構築してきたツインギターは「輪郭のはっきりとしたアナログで太い音」を出しておりロック的なダイナミズムを演出している。
3 NO PAIN

「モノクロームな白昼夢」を連想するアルペジオ・オリエンテッドなダークチューン。作曲者はINORANではなく意外にもSUGIZOである。 コアファンであれば幻想・耽美要素が少ない「1 Time Has Come」「2 STORM」の後にこの曲を聴くと「ホッ」と安心するだろう。歌詞は戦争を「すれ違い続ける恋愛関係」に絡ませて表現したものとなっている。
5 I for You

ドラマのタイアップにも抜擢されたメロディックで熱量が高いバラード。イントロのツインギターの絡みは素晴らしいの一言であり「繊細な感情が泉のように溢れ出す」名フレーズ。歌詞は一聴すると「悲しい運命にあるヒロインに対して自身の激しくそして繊細な愛情を全てをぶつけた」ような内容となっているが、一説にはこの曲の歌詞に登場する「君」とは同年に亡くなった「恩人/hide」の事だとも言われている。この曲がテレビで披露される際、河村隆一の目は心なしか潤んでいるように見える。いつまでもドラマの主人公に対して感情移入し続けることは難しいハズである。おそらくこの曲に出てくる「君」とはhideの事であろう。
6 Unlikelihood

ストリート感溢れるラップ調のJ(b)のボーカルが印象的なザクザクした質感のハードチューンでタイトルの和訳は「あり得ない」である。RYUICHIはタイトルにもなっている「あり得ない」を「天使と悪魔がキスをした」という独自な言い回して表現。ハードに攻めまくるアグレッシヴなサウンドは間違いなくカッコいいのだがルナシー(LUNA SEA)独自の耽美テイストはやや希薄であると感じる。
7 ANOTHER

レッド・ツェッペリン(LED ZEPPELIN)の名曲「Stairway to Heaven」和訳;「天国への階段」を意識していると思われるコクのあるエモーショナル・バラード。歌詞の内容は「心の中に影を持ちながらも明日への扉を開けたい」と強く願うという内容である。ミニマムな音数でしっかりとしたグルーヴを感じる事ができ「アナログで太い音」に拘っているアルバム「SHINE」を象徴する曲であると言える。間奏部に登場するパワフルな女性コーラスは「大空を支配する巨大な鳥」のように別格の存在感を放っている。
8 MILLENNIUM 11 Love Me

河村隆一の良質なポップネスをルナシー(LUNA SEA)サウンドに上手く反映させた2曲。おそらくではあるが河村隆一目当てのリスナーにもウケが良いと思われる。2曲ともツインギターの絡みが面白い疾走系ルナシー(LUNA SEA)クラシックとも言える内容だが「河村隆一」として世間に認知されたRYUICHIが歌うと不思議と「ポップソング」として成立する。河村隆一の大成功はルナシー(LUNA SEA)に絶大な知名度とある種のバイアスを与える事となった。
12 BREATHE

「雲の上」のような浮遊感を感じるアコースティック・バラード。INORAN(g)のミニマムなアルペジオが曲に開放感を与えていおり、RYUICHI(vo)の声は「どこまでも広がる海」のように伸びやかである。歌詞は「河村隆一的なシュール性」を含んだラブソングであり「空に浮かぶ街」なるフレーズがインパクト大である。河村隆一の曲に「小さな星」という曲があるが、歌詞の世界に「非現実・シュールな場所」を設定するのは河村隆一が得意とする方法論かもしれない。
13 UP TO YOU

サウンド・歌詞共に「ルナシー(LUNA SEA)の殻」を壊しているラストソング。シンプルなグランジ風サウンドだが作曲者はまさかのINORAN(g)。歌詞はこれまでの彼らからは考えられない程に熱量を強調したポジティヴなモノとなっている。この曲をはじめて聴いた時、筆者は中学生であったので「クサイ事を言い始めたな」と斜に構えていたが、大人になった現在の感覚で聴くと「エネルギーに満ちた素晴らしい歌詞」であると素直に感じる事が出来る。

ファンの中で最も賛否両論を巻き起こしたアルバムであり、またルナシー(LUNA SEA)史上最も過小評価されている6thアルバム。 97年のソロ活動で男性ソロアーティストのアルバムセールス記録を更新し「国民的歌手」と化した「河村隆一が在籍するバンドのアルバム」という事で多くの注目を集めた本作だが、結果論として「既存のルナシー(LUNA SEA)ファン」「河村隆一ファン」の両者にとって「リアクションの

READ MORE

「1 STORM」
活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。

コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない化学反応が起こるのでは?!」と 大きな期待をよせていたハズだがこの曲は良くも悪くも整合性がとていると感じる。97年に行われたソロ活動では5人5様のスタイルで各々がやりたい事にチャレンジした訳だが、ソロ活動で得た収穫をルナシー(LUNA SEA) サウンドに反映させるには時間が足りなかったのであろう。また河村隆一名義でのソロ活動がセールス面で大成功を収めた事から「河村隆一が在籍するバンド」として世間にも大きく認知される存在となった彼等には、セールス面でのプレッシャーも重くのしかかったハズである。

当時はこの曲を聴いて活動再開してくれて嬉しい反面「ルナシー(LUNA SEA)らしさという体裁」が彼等のクリエイティヴィティーに制限をかけているのでは?!という印象をもった。

「2 この世界の果てで」
これぞルナシー(LUNA SEA)というディープなダークチューン。「河村隆一目当てでこのシングルを購入したリスナー」はこの曲にどのようなリアクションをしたのだろうか?!非常に興味がある。「どこまでも続いていく雨雲」のようなどんよりした空気感が印象的な曲ではあるのだが、暗さよりも「耽美な美しさ」に耳がいく。

開放弦を活かした(と思われる)アルペジオはLIVE映像を見る限りSUGIZO(g)がプレイしておりアルペジオ職人/INORAN(g)とは異なるタイプの鋭角性を感じる。この曲で聴けるRYUICHI(vo)のボーカルは「何の偏見」もたず聴くと伸びやかでパワフルな素晴らしい歌声なのだが繰り返される「この世界の果て」といういかにもルナシー(LUNA SEA)な「退廃ワード」と「微妙なミスマッチ」も同時に感じるというのが「ぶっちゃけた」ところである。

この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

    「要点」

  • ・「1 STORM」・・・サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)
  • ・「2 この世界の果てで」・・・この曲がもつディープネス・耽美性は非常に素晴らしいので、現在の彼等が歌い・演奏すれば「最も化ける曲」であるような気してならない。

「1 STORM」 活動休止期間を経て再び走り出した彼等の勢いをパッケージングした疾走感のあるハードチューン。活動休止前と比較して音が「カチッと太く」なっており「硬質なロック感」が増している。サビの最後に「盛り下がる」ような沈むボーカルラインをもってくるあたりがいかにもルナシー(LUNA SEA)らしい。 コアファンは「活動休止前の「ダークで前衛的なサウンド」と「河村隆一」が絡まる事でとんでもない

READ MORE

暗黒世界のような雰囲気を醸し出していた尖ったメジャー1stアルバム「IMAGE」から1年後にリリースされたメジャー2ndアルバム。前作とは正反対と言っていい「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風となっている。

本作はメンバー・ファンの中でも非常に賛否両論が巻き起こったアルバムではあるのだが、現在の感覚で聴いても「抜群に音が良い」アルバムである事は間違いなくルナシー(LUNA SEA)の「耽美」「ミステリアス」な魅力を余す事なくパッケージングしている。

メジャー1stアルバム「IMAGE」のビジネス的な苦戦から(「IMAGE」は10万枚のセールスをマークしており新人アーティストとしては明らかに良いセールスを記録しているのだが「XJAPANの弟分的な存在」である彼等としては「物足りないセールス」とレコード会社は判断するであろう。)おそらくではあるがレコード会社から「ポップな作風」を求められたと思われるが、レコード会社のいう事を「はい、分かりました」と素直に従うようなアーティストではない。「ポップな作風」を求められ「このノーマルな感覚から良い意味でズレた異形のポップネス」を提案するあたりに彼等のストイックなまでの拘りと尖ったプライドを感じる。

本作がなければ活動休止(96年)までのルナシー(LUNA SEA)サウンドはまた別のものとなっていたと断言できる。そう、ルナシー(LUNA SEA)はどんなにハード、ヘヴィな曲をやってもそこに「耽美性」「神聖さ」が伴うからこそオンリーワンなアーティストであるからだ。

    「要点」

  • ・「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風
  • ・「ポップな作風」を求められ「このノーマルな感覚から良い意味でズレた異形のポップネス」を提案するあたりに彼等のストイックなまでの拘りと尖ったプライドを感じる。

「曲解説」

1 JESUS

「サイバーなグランジ」のようなリフが印象的なオープニングチューン。ソロ活動以降(1998年)〜終幕(2000年)にかけて彼等が頻繁に口にした「輝」というワードをはじめて歌詞に盛り込んでおり「暗黒世界」のような雰囲気を醸し出していたメジャーデビューアルバム「IMAGE」とは正反対の「透明で耽美的」な音響を前面に押し出している。歌詞は「何の為に生まれてきたのか?」という ダークな気持ちを抱えている主人公が「罪が消えて解き放たれる事ができるなら輝きたい」と願うという内容になっている。
3 Rejuvenescence

「シンプルな英語のワンワード」をタイトルにする事が多い彼等の曲の中で「難解な響きを持つタイトル」の耽美でセンチメンタルな名曲。「氷の世界のような音響」が曲の進行と共に「春の訪れのような暖かい音響」に少しづつ変化していくようなイメージの曲である。人気youtuber/たむたむ氏もカバーしている事からも分かる様にコアファンから絶大な人気を誇る。
4 RECALL

「妖精の国」ようなメルヘンを感じる透明なバラード。「現実と空想の境目がゴチャゴチャになった」ような恋愛感情を歌っている歌詞は非常に文学的である。「四次元の夢」という難解なワードも登場する。
5 ANUBIS

ドラムンベース風のリズムの上をSUGIZO(g)の耽美なカッティングフレーズが舞い踊り、近未来的でエロティックな雰囲気をもつアップテンポな曲。この曲のギターフレーズは布袋寅泰からの影響を感じるものでありルナシー(LUNA SEA)の曲の中で最もボウイ(BOOWY)的であると言える。歌詞の内容な「空想の中の空想」というイメージでぶっ壊れたものとなっている。
6 LASTLY

「戻れないあの日」のようなJ(b)のメロディックなベースラインがインパクト大の物悲しいバラード。歌詞の内容は「分かり合えていた人物の死」を連想させるものとなっており「あの頃に帰りたい」と切望するという内容である。「左回りの時計」というフレーズも登場するが、よくよく考えてみるとルナシー(LUNA SEA)の曲では「時」や「時計」に関する歌詞(壊れた砂時計/時の調べ追わず)や「時計の針」を思わせるサウンドが多く登場する気がする。時が経ち、RYUICHI(vo)が「時計」にハマったのは必然なのかもしれない。
7 IN MY DREAM (WITH SHIVER)

「飛ぶことさえ許されず明日も見えない」どん詰まり状態を言語化した歌詞が切なすぎる2ndシングルなのだが、曲を通して開放的な空気感を感じる事ができる。この曲の歌詞では久しぶりに「女神」が登場。筆者の記憶では「女神」の登場はインディーズ時代のハードコアチューン「CHESS」以来である。
9 LAMENTABLE

弦楽器隊3人がそれぞれの特徴を盛り込んだフレーズを聴かせてくれるアッパーチューン。「恋も夢も知らずにバーチャルな世界で生まれ死にいく主人公に対して「その世界から抜け出して現実を生きろ」と訴える曲。この曲の歌詞は発売当時の93年より現在の若い世代に響くと思われる。
11 STAY

「全てのリスナーに花束を届ける」ようなラストチューンでシンプルなビートが強調された耽美なギターロックチューンとなっている。歌詞の内容は「幻想的かつ耽美で練られた」印象が強い他の収録曲とは一線を画す内容となっており「この想いは何も変わっていない」と高らかに宣言するという内容である。

暗黒世界のような雰囲気を醸し出していた尖ったメジャー1stアルバム「IMAGE」から1年後にリリースされたメジャー2ndアルバム。前作とは正反対と言っていい「透明で耽美的な幻想世界」という趣の作風となっている。 本作はメンバー・ファンの中でも非常に賛否両論が巻き起こったアルバムではあるのだが、現在の感覚で聴いても「抜群に音が良い」アルバムである事は間違いなくルナシー(LUNA SEA)の「耽美」「

READ MORE

1 2 3 15