「曲解説」
2 DEGENERATE
「真夜中のオフィス街」のような冷たい音響とミニマムな電子音のループが印象的でKEIKOとマーク・パンサーによるラップも披露されるアッパーチューン。曲を通して「弾けたい気分だけど、あえてクールを装っている」ような冷静さを感じさせる。
3 FACES PLACES
グランジロックをグローブ(globe)流にアレンジしたような曲で「濁った水」のような歪んだギターサウンドを大胆にフィーチャーしている。歌詞は「赤裸々」という形容がよく似合う内容となっており「恋愛や異性に依存しないと生きていけない女の痛々しい叫び」のようだ。この曲で聴けるKEIKOのハイトーンボイスは鬼気迫るものがある。
4 Is this love
「都会の狂騒を抜け出した」ような開放感を感じるバラード。歌詞は考えさせられる内容で「物事がうまく進まない状況」「変わり続ける時代」「答えは明日また変わる」だけど「優しい人が好き」なんだと独白する。
6 a temporary girl
「空を飛んでいる」ような浮遊感とオリエンタルな音響が心地よいテクノポップ。歌詞は「ふとした時に頭に思い浮かんだ言葉を無造作に並べた」ようなものとなっており新鮮だ。歌詞に「この頃、やさしい曲が好き」というフレーズが登場する。この頃の小室哲哉は激務とストレスから癒しを求めていたのであろう。
7 Because I LOVE the NIGHT
ミニマムなギターリフが印象的でグランジからの影響をポップソングに反映させている曲。歌詞はファンキーな内容で世紀が変わるまでの後4年間で「やれる事をやっておこう」という内容。サビの中に「どこか飛んでいったり」「健康でいたいから」というワードが同居している点がとてもユニークだと思う。
10 a picture on my mind
「深夜」のようなディープさと暗さを感じるグローブ(globe)流グランジ。歌詞は「人の中に紛れて表面的には楽しく振舞っているけど本当は1人になるのが怖いだけの弱い自分」にスポットを当てたディープな自問自答。プリクラを歌詞の世界観と絡めている点がなんとも心憎い。
11 FACE
「持て余している激情」を美しいメロディーにのせて吐き出す代表曲。サウンドは浮遊感を感じるディレイギターとアーバンなピアノが主となっているが「激しくエモーショナルなギターロックの名曲を聴いた後」のようなヒリヒリ感を感じる。「バス停でおしゃべりしている学生」と「悩みしかない自分」を比較している歌詞が秀逸である。
12 Can't Stop Fallin' in Love
「いつもは指輪を外していたのに」「人には話せない、誰かに話したい」というラインが「不倫」を連想する名バラード。「正義も勝てないこの世で一つ」の愛(LOVE)について語るマーク・パンサーのラップは名演である。