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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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「極彩色の光」「稲妻」「虹」などの形容詞がよく似合うデジタルで色彩豊かなシンセサウンドが印象的なオービタル(Orbital)の2ndアルバム。wikiを見るとのアシッドハウスリバイバルの立役者と書いてあったのだが「あまりアシッド・ハウスっぽくはない」という印象を持った。

アシッドハウス的な「亜熱帯ジャングル」な質感はあまりなくどちらかというと「宇宙」とか「砂漠」などを連想するサウンドであると思う。アシッドハウスからの影響をオービタル(Orbital)のフィルターを通して表現したという事だろう。また気になったのがインダストリアル・ボディー・ミュージック的なザラついた質感のサウンドが時折、登場する事だ。ロックからの影響とも距離を置いていない点がオービタル(Orbital)の個性かもしれない。

    「要点」

  • 「極彩色の光」「稲妻」「虹」などの形容詞がよく似合うシンセサウンド
  • 「宇宙」とか「砂漠」などを連想するサウンド

「曲解説」

1 Time Becomes

ほとんど無音状態の中でタイトルである「Time Becomes」が無限ループされるシュールなオープニングソング。
2 Planet of the Shapes

「二日酔いの朝に見る太陽」のようなサイケ・サウンドがリスナーをアナザーサイドに導くアシッドハウスチューン(1:00)頃まで「右のイヤホンから全く音が聴こえない」というマニアックな拘りが凄まじい(6:17〜)インダストリアル・ボディー・ミュージックのようなダークで怪しげなサウンドが登場、癖のあるメロディーだが非常に耳に残る。気だるさを感じつつも体が横揺れしてしまう、そんな曲。
3 Lush 3-1

「頭の中を無数の光線が通過する」ような極彩色でアッパーなテクノチューン。レンガブロックのように四角いベースラインが頭にガンガン響いてきて、主旋律は「うねる蛇」のようでアラブの匂いを感じるものとなっている(3:56〜)「顔にパイを投げつける」ような「バッ、バッ」という歪んだ音は少しインダストリアル・テイスト。
4 Lush 3-2

女性ボーカルのエモいサンプリングボイスを活かした酩酊のような曲(2:20〜)鈍い稲妻のようなサウンドの登場から「スライムだらけの部屋」のようなサウンドに切り替わり、 終盤はリズムアプローチがより立体的になり躍動感を感じる展開となる。
6 Remain

「宇宙遊泳」のような無重力感を感じるアッパーチューン。「虹」を連想する極彩色な七色のシンセサウンドがインパクト大。この曲でもザラついた質感のインダストリアルノイズが登場し曲にエッジを与えている。
7 Walk Now

「テレビに映る砂嵐」のようなザラついた質感を持つ曲(2:15〜)無数の光が目の前を横切り「光溢れるトンネルを歩いている」ような展開に移行、中盤以降は目の前を横切る光の数がこれまでの2~3倍に増えて頭の中が軽い混乱状態となる。最後はざらついた砂嵐サウンドが更にうねる展開を見せる。
8 Monday

「ウォームなオルガンのリフレイン」と「空を歩くような浮遊感を持つストリングス」が印象的な曲で黄金に輝く電子色はセンチメンタルなメロディーを奏でている。中盤以降、リズムがディープさを増し(4:28〜)直線的なアラブのラッパ風サウンドが曲に「夜の砂漠」のような空気感を与える。終盤は「嵐が過ぎ去った砂漠に北風が吹いた」ようなシュールな清涼感を感じるサウンドを聴かせてくれる。
10 Input Out

オープニング「1 Time Becomes」と同様にタイトルである「Input Out」を無限ループする曲。この謎な捻くれっぷりは一体。。

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