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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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アシッドハウス的なディープさとジャジーな要素を大幅に加えた3rdアルバム「音楽で繋がる世界」「グルーヴは万国共通」などの思いがテーマになっていると思われ前作より多面的になったサウンドはどこか無国籍な印象を与え少しマニアックな質感がある。

また歌詞にも「バハマ」「行ったことない南の島」などインパクトのあるフレーズが登場。「3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)」「7 Silver and Gold dance(Remix)」「8 Beauty and Beast」などの曲で聴けるサビのボーカルラインはTKサウンドの代名詞である弾けた質感の素晴らしいメロディーをもっている。

どこかマニアックなサウンドと弾けたサビのボーカルラインの共存は「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容であるといえる。

    「要点」

  • 「無国籍感を感じるサウンド」と「弾けたサビのボーカルライン」が共存
  • 「TMNの小室」から「希代のヒットメーカーTK」へと進化する過渡期的な内容

「曲解説」

1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)

曲名通り「森林の中にいる」ようなアンビエント感があるオープニングのインスト。終盤は「森林の中から他の空間にワープする」かのようにシンセサウンドが揺らめく。
2 Feel the CENTURY

「1 WORLD GROOVE 1st.chapter(Forest Ambient)」とはうってかわり「都会の狂騒」を思わせるゴージャスなシンセサウンドを中心に展開されるアグレッシブなテクノ。リズムアプローチはシンプルでアシッドハウス的な弾力感をもつ四つ打ちがメインとなっている。
3 寒い夜だから…(SEQ OVER DUB MIX)

アーバンなジャズテイストをアシッドハウスに反映させたサウンドと「寒い夜だから」という歌詞とは裏腹にどこまでも伸びていくような抜群のメロディーをもつサビのボーカルラインがインパクト大のヒットシングル。全編にわたり「賑わう休日の銀座」のように弾けるサックスサウンドが曲に色彩を与えている。
4 CAMILLE CLAUDEL

アンビエントな質感のアルペジオ風サウンドをシンセで再現した「深夜」のような雰囲気をもつディープソング。歌詞の内容はディープなサウンドと同様に深いもので「無防備な信頼、それは恋の入り口」であると説く。ビートはスライムのような弾力と潤いを持つアシッドハウスなアプローチとなっている(1:45〜)サウンドの質感に寄り添うような渋いギターフレーズがミニマムに鳴り響く。終盤はサビのボーカルラインをシンセサイザーでなぞるという展開になるのだがキャッチーとは言えないメロディーが非常に耳に残る。これが小室マジックだろうか。
6 Waiting Waves (夏の気分を待ちわびて)

YU-KI(vo)のボーカルがコミカルな響きを持つ変化球ソング。「バハマに行きたいが東京からマイアミはストレートには行けない」という歌詞もどこかシュールである。終盤はリズムアプローチにプリミティヴな要素が加えられパーカッショナルな躍動感を感じる。またアウトロでは空間を縦横無尽に踊るサックスソロが登場する。
7 Silver and Gold dance(Remix)

「曇り空」のようなUKテイストと高揚感が同居しているアッパーなダンスチューン。サビのメロディーは頭に即座にインプットされるグッドメロディーである (2:18〜)地を這うような質感の重低音が鳴り響き、その後はシンセソロが飛び出しサビのボーカルラインをなぞる。アウトロでもシンセでサビのボーカルラインが繰り返し奏でられる。この曲は自信のあるサビのボーカルラインを聴かせる為の曲という感じがする。
8 Beauty and Beast

「海」のようなうねりと「星々のきらめき」を感じるアッパーチューン。アシッドハウス的なディープでミステリアスなサンプリングボイスや「良質なポップ・ミュージックのサビの断片を切り取った」ような女性ボイスが空間を自由に舞う。この曲でYU-KI(vo)が歌うのはサビのみでありサビのボーカルラインは「輝く星」のような電子音と絡まり華やかである。
10 Winter Grooves

カラフルなシンセサウンドが頭の中を駆け回るテクノポップ風の曲。サビではTKサウンドを象徴する「wow,wow,wow」というコーラスがボーカルラインを華やかに彩る。
11 WORLD GROOVE 3rd.chapter(main message)

アーバンでジャジーなサウンドをベースにした無国籍ポップ。終盤はシックなサックスが縦横無尽に鳴り響き曲をビシッと引き締めている。歌詞の内容は「行ったことがない南の島でも感じることができるWORLD GROOVE」について。

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