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live at the indoor
音楽作品(アルバム/シングル)を「普通」「良作」「名作」「傑作」「神作」に分ける音楽レビューサイト

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脱退したジョン・フルシアンテの後釜に新ギタリストに元ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)デイヴ・ナヴァロ(g)を迎え作成された異色作。哀愁を帯びながらも力強くファンキーなサウンドは本作でも健在だがハードでソリッドな側面が目立つ作品となっている。

ファンの中では賛否両論があったアルバム。新ギタリスト:デイヴ・ナヴァロ(g)は、本作の作成とその後のツアーを終えレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)を脱退することになるが、本作でしか聴けないサウンドやテンションの曲もあり特にアルバム前半のハイパーなテンションの数曲は、初めて聴いたときは「近未来のようなサイバーさ」すら感じたと記憶している。筆者はレッチリ、ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)ともに好きなので、本作における化学反応は非常に興味深く、正直もう1枚このメンバーでアルバムをリリースして欲しかったというのが正直なところ。

    「要点」

  • 新ギタリストにデイヴ・ナヴァロ(g)を迎えた異色作
  • 本作でしか聴けないハイパーなテンションの曲も存在する

「曲解説」

1 Warped

これまでのレッチリとは明らかに異なる「1人時間差のような面白いタイミング」のハードなギターリフや空間を切り裂くようなメロディックなノイズギターなどが新鮮で本作は新加入した元ジェーンズ・アディクション(Jane’s Addiction)のデイヴ・ナヴァロ(g)がジョン・フルシアンテ(g)とは異なる特徴を発揮しており、またアンソニー・キーディス(vo)の「音響化された呪文」のようなボーカルラインもこれまでにはない試み(4:02〜)ファンキーだが直線的に攻めてくるリズム隊は前作よりロック的である。
2 Aeroplane

流れるようなカッティングギターとフリーのファンキーなスラップが絡みあう曲。アンソニー・キーディス(vo)によるボーカルラインは耳に残るメロウなものになっており、時折、ワウを使ったミニマムな歪みギターが登場(3:33〜)子供達の合唱によるコーラスが登場するポップな展開に意表を突かれる(3:56〜)コーラスの後ろでデイヴ・ナヴァロ(g)のウォームな質感のギターソロが鳴り響き曲は終わる。
3 Deep Kick

独白のようなシリアスな雰囲気の語りではじまる(1:40〜)落雷のようなエフェクティブなギターサウンドが静寂を引き裂きハイパーなテンションのノリに変貌する。「空気をバサバサと切り裂く」デイヴ・ナヴァロ(g)のギターは、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)にハードさをもたらし何が飛び出るか分からない乱痴気騒ぎのような展開に発展するが(5:05〜)突如、激しい展開が嘘のように夕暮れ時のバラード調になりエンディングを迎える。
5 Coffee Shop

ニューウェイブな質感のダークで浮遊感のあるギターフレーズが空間を構築、フリー(b)の攻めまくるファンキーなベースラインは生理的にただただ気持ち良い(1:35〜)デイヴ・ナヴァロ(g)得意のビームのような光線ギターが登場、リズムは民族音楽のような雰囲気を演出(2:30〜)フリー(b)のベースソロは腰にグイグイくるファンキーさもありつつメロディックであり最後はドラムと絡み合い曲を締めくくる。
11 Falling into Grace

今作の中でも最も実験的な曲。アクの強いエフェクトをかけた時空の歪んだような音が何とも言えないサイケな雰囲気を醸し出している。トリップ・ホップのようなダークさと浮遊感がある。ギターソロは「砂漠」を連想するオリエンタルなトーンである。

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